概要
①と③は、どこにあるのかと考えなかった
電気代が一万四千二百円になった月、通帳には八十七万円しかなかった。三十五歳、バイト三つ、親とは喧嘩別れ。
帰り道の粗大ごみ置き場に、ソーラーパネルが捨ててあった。裏に油性ペンで「②」と書いてあった。拾って繋いだら、電気が出た。
減った電気代で、次のパネルを買う。雨水を濾過して水道を切る。契約のない家を借りて、畑を耕す。肉は買う。動物を殺せないからだ。たんぱく質は、形をなくせば食べられると知った。
売れた。儲かった。都会に戻った。そして僕は、電気代の明細をもう見ていない。
八年目の冬、物置で見つけた「②」の日付の、七の字に横線が入っていた。
帰り道の粗大ごみ置き場に、ソーラーパネルが捨ててあった。裏に油性ペンで「②」と書いてあった。拾って繋いだら、電気が出た。
減った電気代で、次のパネルを買う。雨水を濾過して水道を切る。契約のない家を借りて、畑を耕す。肉は買う。動物を殺せないからだ。たんぱく質は、形をなくせば食べられると知った。
売れた。儲かった。都会に戻った。そして僕は、電気代の明細をもう見ていない。
八年目の冬、物置で見つけた「②」の日付の、七の字に横線が入っていた。
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