概要
浮いたエネルギーで、何すんの?
長崎の百貨店、白物家電売り場。及川千里、二十八歳。営業用の笑顔で、顎はもう固まっている。
朝、売り場の女子トイレで赤ん坊が見つかった。
一年前から、母の骨はマーガリンのタッパーに入ったまま、枕元とクローゼットの奥を行ったり来たりしている。新しい専務は「バンジージャンプの高揚感を家電売り場で再現しろ」と言い、客の老夫婦は「浮いたエネルギーで何すんの?」と聞いてくる。答えは見つからない。
上司が十四時に出ていくまでに、ショーウィンドウの下地を終わらせなければならない。テーマは「未来」だ。
朝、売り場の女子トイレで赤ん坊が見つかった。
一年前から、母の骨はマーガリンのタッパーに入ったまま、枕元とクローゼットの奥を行ったり来たりしている。新しい専務は「バンジージャンプの高揚感を家電売り場で再現しろ」と言い、客の老夫婦は「浮いたエネルギーで何すんの?」と聞いてくる。答えは見つからない。
上司が十四時に出ていくまでに、ショーウィンドウの下地を終わらせなければならない。テーマは「未来」だ。