概要
お泣きになるのは結構ですが、日付は動きません。
建国記念の夜会、三番目の温室。
わたくしの婚約者が、子爵令嬢の肩に手を置いておられました。
レンブルク家は四代、この州の立会人を務めております。
契約が交わされる場に立ち、見たものを書き、署名する。それだけの職でございます。
「ヴィオラ。誰にも言わないでくれ」
「言いません」
わたくしは懐から帳面を出しました。
「書きます」
二年前、婚約の書面に一行を足させたのは、ユリアン様ご自身でした。
ただ、お書きになった一行は「令嬢に不貞があったとき」ではございません。
これは、泣かず、怒らず、声も上げない令嬢が、
書式どおりに手続きを進めるだけで侯爵家が崩れていく話。
わたくしの婚約者が、子爵令嬢の肩に手を置いておられました。
レンブルク家は四代、この州の立会人を務めております。
契約が交わされる場に立ち、見たものを書き、署名する。それだけの職でございます。
「ヴィオラ。誰にも言わないでくれ」
「言いません」
わたくしは懐から帳面を出しました。
「書きます」
二年前、婚約の書面に一行を足させたのは、ユリアン様ご自身でした。
ただ、お書きになった一行は「令嬢に不貞があったとき」ではございません。
これは、泣かず、怒らず、声も上げない令嬢が、
書式どおりに手続きを進めるだけで侯爵家が崩れていく話。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?