概要
翌朝、本人は「夢遊病なんてない」と言った
一週間ほど前から、午前二時になると、この部屋で妙なことが起きるようになった。
中でもいちばん不気味だった夜、同居人は寝間着のままリビングに立ち、右手に包丁を握っていた。ベランダ側の白い壁に向かって何度も刃を振り、時折、切っ先が壁を擦って耳障りな音を立てる。それでも本人には聞こえていないらしく、同じ動きを一分近く続けていた。
翌朝、昨夜のことを覚えているか、それとなく尋ねた。
同居人はしばらく呆けたような顔をしていた。
「瀬尾さん、何の話ですか? 俺、夢遊病なんてないですよ」
おかしいのが彼なのか、それとも俺なのか。
確かめるため、その日のうちに小型の見守りカメラを用意した。
午前二時。
同居人の部屋のドアは閉じたままだった。
その直後、玄関からかすかな金属音
中でもいちばん不気味だった夜、同居人は寝間着のままリビングに立ち、右手に包丁を握っていた。ベランダ側の白い壁に向かって何度も刃を振り、時折、切っ先が壁を擦って耳障りな音を立てる。それでも本人には聞こえていないらしく、同じ動きを一分近く続けていた。
翌朝、昨夜のことを覚えているか、それとなく尋ねた。
同居人はしばらく呆けたような顔をしていた。
「瀬尾さん、何の話ですか? 俺、夢遊病なんてないですよ」
おかしいのが彼なのか、それとも俺なのか。
確かめるため、その日のうちに小型の見守りカメラを用意した。
午前二時。
同居人の部屋のドアは閉じたままだった。
その直後、玄関からかすかな金属音
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?