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概要
嘘をついているのは、わたくしだけのはずでした。
婚礼の三日前、妹が寝台から出てこなくなりました。
北の辺境、雪が七か月降る土地。氷の公爵と呼ばれる方。
継母様は扇を閉じて、わたくしに仰いました。
──顔を知られていないのだから、お前でも通る、と。
妹の名で嫁いだ初夜、あの方はわたくしをご覧になって、
「リーゼ」
と、わたくしの名を呼ばれました。
縁談の書面には、条件が一行だけ書かれていたそうです。
「字を書かれる方を」と。
これは、三年間ずっと父の名で手紙を書いていた娘が、
宛名のほうから見つけてもらう話。
北の辺境、雪が七か月降る土地。氷の公爵と呼ばれる方。
継母様は扇を閉じて、わたくしに仰いました。
──顔を知られていないのだから、お前でも通る、と。
妹の名で嫁いだ初夜、あの方はわたくしをご覧になって、
「リーゼ」
と、わたくしの名を呼ばれました。
縁談の書面には、条件が一行だけ書かれていたそうです。
「字を書かれる方を」と。
これは、三年間ずっと父の名で手紙を書いていた娘が、
宛名のほうから見つけてもらう話。
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