概要
「受理しました。偽造を命じた事実も、撤回不能の原簿に」
王家の婚姻を記録する王宮公証人セシリアは、婚約者の王太子から、自分自身の婚約辞退届を渡される。異母妹リリアを新たな妃にするため、セシリアが横領を認めて自ら辞退したことにしろという命令だった。拒めば父を反逆罪に問う。命令書には王太子自身の署名と印章まである。セシリアは命令どおり辞退届を登記し、建国記念式典で受理を宣言する。ただし王宮公証人には、申請の根拠となった書類をすべて原簿へ添付する義務があった。「婚約辞退届とともに、偽造を命じた殿下の命令書も永久保存いたしました」身代わりの罪を着せられた公証人が、敵の命令そのものを証拠に変える物語。
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