概要
詩人の夢を火が奪った。石川啄木、函館の132日。
明治四十年、二十一歳の石川啄木は、渋民を離れ、文学への望みを胸に函館へ渡る。港の喧騒、異国の風、文学仲間との交流、弥生尋常小学校での代用教員の日々。海と坂の街で、啄木は再び詩人としての情熱を取り戻していく。しかし、渋民に残した家族への思いと生活の不安は消えない。「生きるために働くこと」と「書くこと」の間で揺れる啄木。やがて函館大火が街を焼き、仕事も住まいも失う。わずか132日――函館で過ごした青年啄木の光と影を、詩情豊かに描く物語。
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