傷を傷とすら思わない、痛みを痛みとさえ思えない、小さな「おに」を迎えに来たのは、赤と月の似合うひとりの鬼。兄と妹になったふたりの鬼が、心を通わせ、互いを少しずつ救い合う様子が、まるで古い説話やお伽話のような、丁寧で静かな筆致で描かれています。……けれど、努々忘れませぬよう。彼らは紛れもなく、人とは相容れぬ鬼なのです。――これは鬼の物語。決して人では在り得ない、ふたりの鬼の物語。
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