概要
十五時十二分、幼馴染から海の写真が届く。無人島の、格子の向こうから。
ゼミの発表で映された、無人島の郷土資料室の写真。そこに、東京にいるはずの幼馴染のRが、学芸員のような顔をして写っていた。
その日から、記録が少しずつ食い違いはじめる。あるはずのない連絡船の時刻表。送った覚えのないLINE。毎日十五時十二分に届く、木の格子越しの海の写真。
Rの右目が濁り、右手が、ジョッキの右の空をつかむ。
私は、記録の矛盾を放っておけない性分だ。だから、調べることにした。それがどこへ続いているのかも、知らずに。
その日から、記録が少しずつ食い違いはじめる。あるはずのない連絡船の時刻表。送った覚えのないLINE。毎日十五時十二分に届く、木の格子越しの海の写真。
Rの右目が濁り、右手が、ジョッキの右の空をつかむ。
私は、記録の矛盾を放っておけない性分だ。だから、調べることにした。それがどこへ続いているのかも、知らずに。
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!同じ問いに、返事が二つある。
退屈なゼミの最中、院生の発表に映った一枚の写真から、日常がじわりとほころび始めます。無人島のはずの島、親友の手首にある懐かしい傷跡、そして「自分にだけ読める」謎の木簡。どれもありふれた景色の中に、ほんの少しだけずれた違和感が潜んでいて、気づけば背筋が冷えていました。
派手な怪異ではなく、LINEの履歴や地図アプリ、図書館の書庫といった身近なものから真相に迫っていく静かな恐怖が見事です。淡々とした文章だからこそ、ふと混じる細部の描写が不気味に光ります。調べるほどに深まる謎と、少しずつ鈍っていく主人公の指先から、目が離せません。
こんな方におすすめ
じわじわ迫る静かなホラーが好きな方/民俗学…続きを読む