概要
離婚弁護士になって最初の依頼。被告は私の夫、原告はその「正妻」だった
彰人と小さな結婚式を挙げてから、七年目の記念日だった。
その日、私は同僚の森川奈緒から、急きょ一件の離婚相談を引き受けることになった。
「この奥さん、今年だけでもう十一回目。離婚したいって相談に来るたび、旦那さんまで追いかけてくるの。泣くわ、土下座するわ、プレゼントは持ってくるわで毎回大騒ぎ。結局いつも仲直りして帰っていくんだけど、こっちはそのたびに書類を作り直し」
奈緒はうんざりした顔でファイルを差し出した。
「毎回きちんと相談料は払ってくれるし、今日だけ代わってくれない? 真琴たち、もう少し広い家に引っ越したいって言ってたでしょ」
スマートフォンには、三十分ほど前に彰人から届いたメッセージが残っていた。
急な仕事が入り、今夜は戻れそうにない。
予約していた店も、すでにキャンセ
その日、私は同僚の森川奈緒から、急きょ一件の離婚相談を引き受けることになった。
「この奥さん、今年だけでもう十一回目。離婚したいって相談に来るたび、旦那さんまで追いかけてくるの。泣くわ、土下座するわ、プレゼントは持ってくるわで毎回大騒ぎ。結局いつも仲直りして帰っていくんだけど、こっちはそのたびに書類を作り直し」
奈緒はうんざりした顔でファイルを差し出した。
「毎回きちんと相談料は払ってくれるし、今日だけ代わってくれない? 真琴たち、もう少し広い家に引っ越したいって言ってたでしょ」
スマートフォンには、三十分ほど前に彰人から届いたメッセージが残っていた。
急な仕事が入り、今夜は戻れそうにない。
予約していた店も、すでにキャンセ
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