概要
他人の人生を記録することは、救済か、それとも所有なのか。
「この記事に出てくる人たちは、いま何歳になって、どんなお仕事をしていますか」
届いた中学生の手紙をきっかけに、記者の望月良子は書棚の奥から十年前の取材ノートを引っ張り出す。二〇一六年、カブール。医学を学びながら密かに詩を書き留めていた少女、ラフマ。
ノートの隅に残された無料アドレスへ、返信を期待せず送った二行の英文。だが深夜、十年放置されていたはずのアカウントから、一行だけの返信が届く。
――I am well. I am writing.(元気です。書いています)
陥落した都市。矢継ぎ早に出される布告、消された名前、奪われた教育。
画面の向こうで文字を打ち込んだのは、本当に「あの少女」なのか。
救済と搾取、記録と所有のあわいで揺れる記者が、送信ボタンの前で立ち尽くすまでの静かな七日間の記録。
届いた中学生の手紙をきっかけに、記者の望月良子は書棚の奥から十年前の取材ノートを引っ張り出す。二〇一六年、カブール。医学を学びながら密かに詩を書き留めていた少女、ラフマ。
ノートの隅に残された無料アドレスへ、返信を期待せず送った二行の英文。だが深夜、十年放置されていたはずのアカウントから、一行だけの返信が届く。
――I am well. I am writing.(元気です。書いています)
陥落した都市。矢継ぎ早に出される布告、消された名前、奪われた教育。
画面の向こうで文字を打ち込んだのは、本当に「あの少女」なのか。
救済と搾取、記録と所有のあわいで揺れる記者が、送信ボタンの前で立ち尽くすまでの静かな七日間の記録。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!私たちは、書くことも読むことすらも足り過ぎている。
主人公の記者と、アフガニスタンで交流した一人の現地女性との物語。
彼女は医学部に籍を置きながらも詩を書いていた。ただ、情勢はめまぐるしく変わる。瞬く間に政権が代わり、女性の教育が中止された。日本にいる主人公は、少しずつ彼女の情報を手繰り寄せていく。
今は私たちは書き過ぎている、と思う。
文字を書いても誰にも止められないし、消されることもない。鉛筆もキーボードだって使えるし、生成だってできる。数千字数万字が即座に形に残る時代になった。
同時に読み過ぎている。
SNSには射幸心を煽る短文が溢れ、カクヨムは毎日読み切れない程の小説が投稿されている。
イスラム原理主義下のアフガ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お願いだから、誰かもっといいレビューを書いてください
たった8000字。
この物語にレビューを書かずに、何に書くのだ。
そう思うのに言葉がない。
新聞記者の女性が、10年前カブールで会った19歳の医学生を回想する。
医学を学び、手先をインクで汚しながら文章を書いていた彼女は今、どうしているのか。
女性が学ぶことを禁じられた国で。
罪悪感を罪悪感と書かずに、描かれるのは換気扇の音やノートの手触りや、埃の匂いのこと。
多分、とんちんかんすぎて作者さまから怒られそうですが、思い浮かんだのはフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」
あんまり文章が美しいから。
たった8000字です。
誰か、もっといいレビュー書いてください。
お願いします。