概要
「知らんがな」と言いながら、今夜もひとりの未練に付き合ってしまう。
京都・木屋町、高瀬川沿いのコンビニ「みやこマート」。
ここで深夜バイトをするマキは、パンク風の黒ずくめに唇のピアス、愛想のかけらもない塩対応の店員だ。京都という街が心底嫌いなのに、京都弁だけは抜けない。実家は今も花街で置屋を営んでいて、彼女はその「離れ」に居場所を持つ、少し複雑な身の上でもある。
そんな彼女には、人には言えない体質がある。――霊が見える。
来客ベルが鳴らずに現れる客は、たいてい生きていない。レジ袋の値段に文句を言う常連、廃盤になった商品を惜しむ老人、若い頃の未練を抱えたまま彷徨う誰か。今夜も、聞いてもいない話を勝手に始める客がやってくる。
マキの対応はいつも同じ。缶チューハイを三本、黙って呷るだけ。二本目で声が聞こえなくなり、三本目で姿が見えなくなる。除霊でも供養でも
ここで深夜バイトをするマキは、パンク風の黒ずくめに唇のピアス、愛想のかけらもない塩対応の店員だ。京都という街が心底嫌いなのに、京都弁だけは抜けない。実家は今も花街で置屋を営んでいて、彼女はその「離れ」に居場所を持つ、少し複雑な身の上でもある。
そんな彼女には、人には言えない体質がある。――霊が見える。
来客ベルが鳴らずに現れる客は、たいてい生きていない。レジ袋の値段に文句を言う常連、廃盤になった商品を惜しむ老人、若い頃の未練を抱えたまま彷徨う誰か。今夜も、聞いてもいない話を勝手に始める客がやってくる。
マキの対応はいつも同じ。缶チューハイを三本、黙って呷るだけ。二本目で声が聞こえなくなり、三本目で姿が見えなくなる。除霊でも供養でも
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