このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(169文字)
AIに支配された世界なのに、主人公の生活は以前よりずっと快適です。戦争は消え、仕事は楽になり、定時に帰れて、反AIの言論すら許される。だからこそ「これのどこがディストピアなのか?」という感覚が、読み手にもじわじわ伝染してきます。最後の何気ないスーパーの光景まで来ると、恐ろしいのはAIの暴力ではなく、人間が主体性を手放しても困らなくなってしまうことなのだと気づかされます。
AIによる支配。ディストピア。暗黒世界どころか。訪れたのは平和な日常、平和な世界。まさにユートピア。人間の「言論の自由」すら、「許してもらえる」。AIと並走している、「今」の世界。ひと昔前なら。映画の中の架空のような世界でした。このSFショート作品の読後。どのような未来を自分は望むのか。是とするのか。未来ある方に、ぜひ読んで、思考を巡らせていただきたい作品です。考えることこそ、人間が人間であるところの、根幹なのではないかと。
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