・非殺戮型《イノセンス》 人が介入しない完全自律思考破壊兵器。
作中でも触れられている通り、威力の高い武器を持っていない人間を攻撃しない。命を奪わない人道的な兵器として世界中で支持されており、この世界大戦において主戦力、主役と言っても 過言では無い。
敵の無人機は破壊対象とみなして攻撃するので、ほぼ無人化しているこの時代の戦争において、不都合な場面は少ない。
敵味方の識別プログラムも優秀で、敵の軍事施設に関しては攻撃を受ける可能性に関わ らず破壊する。
実は脅威とならない人間を殺すことを主目的にしていないというだけで、砲撃の巻き添えになって失われる命についてはとくに考慮されていない。
一般人の住居や生活する上で必要な公共施設、避難所、病院などは攻撃しないので、この事実はあまり知られていない。
また、奪われる命が少ないことも事実であるため、ほとんどの軍人たちも《イノセンス》を人道的な兵器だと認識している。
・No.33[アームド] 改造人間。作中最強の膂力(腕の力)を持つ。
力こそパワー!という安直な思考により改造されたため、戦況分析力や対話能力が排除されている。
敵に懐柔されたり、騙されることがないというメリットがある。
洗脳により敵味方の識別プログラムが組み込まれているが、結果的に敵であったNo.69 への対処が遅れたことを考えると、あまり精度の高いプログラムとは言えない。
・コルトガバメント 銃。
正式名称はM1911なので、最初の登場時にそのことに触れたり性能や特徴について説明した方が銃マニアもにっこりだと思われるが、羽川明の作品に銃がメイン武器として登場することは珍しく、羽川作品を好む読者に銃マニアは多分あまりいない。いたらごめん。
そのため、作中では正式名称や詳しい性能についての説明はバッサリと削り、コルトガバメントというわかりやすいカタカナ表記を使っている。
・センチメーターマスター 主人公が使っている銃。
コルトガバメントを射撃競技用にカスタムしたもの。日本ではエアガンの方が有名で、検索してもこの実銃に関する日本語の記事はあまりない。
そのため、実は羽川もこの銃のことはよく知らない。
羽川が人生で初めて買ってもらったエアガンで、当時毎日のように鉛筆を撃って遊んでいた思い入れの強い銃なので、採用した。
知る限り、コルトガバメントではなく、センチメーターマスターという名前で主人公のメイン武器として登場する作品はとても珍しいように思う。
実銃の詳しい記事がほぼ見当たらないので、日本ではかなりマイナーだと思われる。
需要がある、この銃が好き、この銃に興味が湧いた、という人がいたら感想やレビュー などで教えて欲しい。
エアガンだと安くて威力が低い安全なものが日本でも売られているので、お子さんも安 心。(案件では無い)
・No.69《シックス・ナイン》 本作の主人公。改造人間?
眼鏡の男が外見についてとくに言及していないことからわかるように、少なくとも一目でわかるような改造は施されていない。
また、《シックス・ナイン》というのは通称であり、[アームド]のように 能力からつけられた固有の名前とは異なる。
そのため、69なのだから《シックス・ナイン》ではなく《シックスティ・ナイン》だろ、馬鹿かお前は中学からやり直せ、という趣旨の誹謗中傷は受け付けていない。
No.69の能力は現時点では明かされていない。
[アームド]とは違って洗脳後も対話や戦 況分析ができるので、少なくとも力こそパワー!な脳筋思考で改造されたわけではない。
・祖国 主人公や他の改造人間、眼鏡の男たちが生まれ育った国のこと。
世界大戦では 劣勢でかなり追い込まれており、《イノセンス》のシステムの穴を突いた改造人間を急遽生み出したが、銃で撃てば死ぬような68体の改造人間たちが形勢を逆転させるほどの活躍をするとは、最初から誰も思っていない。
じゃあ作るなよという話だが、戦場、とくに一般市民を巻き込むことがない前線に大量 投入されている《イノセンス》を一方的に無力化できるので、改造人間はまったく役に 立たないかというと、そんなことはない。