昨年4月から、とある自主企画に参加させて頂いている。
いる、というか、いた、になるのか。
この3月で企画シリーズは一旦終了となり、つい先程私もやっとこさ最後のエピソードを公開したので、もう過去形で言う方が正しくなってしまった。


御存知の方も多いだろうが、というか私の近況ノートを読む方なら大体はご存知な方ばかりだろうとは思うが、夢月七海様が毎月主催されていた「同題異話」という企画シリーズだ。
毎月一日、主催者の方がタイトルと企画を載せ、参加者はその同じタイトルからそれぞれ思い付いた話を書くという企画だ。

これが実に楽しかった。以前同じ曲から連想した話を書く、という自主企画に参加させて頂いたことがあったが、どうやら私はその類の企画が好きらしい。

そして何より非常に勉強になった。その辺りの感謝や感想については、オレンジ11様の企画「同題異話にありがとう」で色々と述べさせて頂いたので、この場では割愛させて頂く。
(因みにその時の文がこちら→ https://kakuyomu.jp/works/1177354054888958461)



で、その際に色々と自分で書いた話を読み返したりしていて、少しばかり語ってみようかなという気分になったので、裏話やら何やらを書いてみようかと思う。

本当はこういうのを色々と語らない方が格好良いのかな、とは常々思うのだが…まぁ自分の創作備忘録と、反省会も兼ねて振り返ってみようと思います。


というのは建前で、本音は自分がその時聴いていた音楽のメモを残しておきたいという部分が割と大きかったりする。


自分の中で音楽というのは結構な割合を占めていて、それは小説や創作の時も例外じゃない。作業用BGMの選択と有無が、かなり筆の進みや出来を左右してくる。EDMの音楽でタンゴは踊れないのと同じ。

とはいえ必ずしもその音楽がイメージソングという訳ではないし、ただ単にタイピングのテンポと合っていただけという場合もあるから、ここであげたアーティストは全く以て私の小説に関係ないです、と念のため注意書きをしておこう。

勿論インスピレーションを受けた曲もあるが、それだって関係ない。
自分の書いた話がアーティストさんに迷惑が掛かる事態だけは避けたい。
けれど自分の好きな音楽の話をちょっと聞いちゃくれないか、という気持ちも、半分より少し以上あるのも事実。

というわけで一人で同題異話参加作品について語ります。
大体は音楽について、後は時々反省会や小ネタの話なんかも。一部は某呟きSNSで話したことと重複していますが、ご容赦を。
こういう風に話を考える奴もいるんだな、くらいの感じで聞いて頂ければ嬉しい。
あわよくばこの文章に目を通した人が、新しく良い曲に出会えれば良い。

―――――――――――――――――――――――――――――

■ 四月号  春はまだ青いか
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885662028
初めに言っておく。
私は大層な遅筆だった。いや今も遅筆治っていないが、それよりはるかにひどかった。おまけにここ数年色々あってあまり創作に関われていなかった。
これじゃいかんと一念発起し放置していたカクヨムアカウントを始動させたり、文章の練習にと夢日記を載せたりしていたのが去年の四月頃。

何か気晴らしに書きたいな、とりあえず書くことのリハビリをせねば、等とつらつら考えている時に出会った企画の一つが、まさにこの同題異話企画第一段となる四月号だった。

企画内容を見て、タイトルを見て、さて青春ぽいタイトルだがどうしたものかと考えた瞬間、自分の脳内のSF部分が脊髄反射で「春→HAL→人工知能」の連想ゲームをした。
結果的に出来上がったのが、「春」という文字を「青い」と認識する、共感覚能力者のような人工知能と、その検査官の話だった。

うーんあんま青春ぽくないな、どうしたもんか。
とは一瞬悩んだものの、どうせ灰色の青春時代しか過ごしていない人間だ。書きたいし書ける話を書こうと気軽に書いて飛び入り参加させて頂いた。
この時は色々勉強とかチャレンジというものは一切考えていなかったから、単純に自分の趣味のスープの出汁の切れ端をあっちこっちからすくい取ったような話になった。端的に言えば、自分に一番近い部分から出てきた。
結果一番自由に書けた話ではあるが、一番何も考えていなかった話ともいう。


余談だが、デイビッドの名前はHALを停止させたデイヴと、映画「A.I.」の主人公デイビッドの両方から。リー検査官はスタン・リーとスタンリー・キューブリックの両方から取った。名前とも苗字とも取れて、尚且つなるべくルーツが何通りも考えられる名前をと思って付けたのだが、書いているうちに別の話の同名のキャラクターの前日譚と繋がっていったので、人生何が起きるか分からない。各検査官の性別や年齢、見た目も何となくは決めているんだが、特に世に出す予定も無いので皆さまのご想像に任せたい。

更なる余談の話をすれば、この「春はまだ青いか」は実は二テイク程無しになった部分がある。一つはデイビッドが消されることを知って「死にたくない」というシーン。悩んだが結局、こちらではなくデイビッドに最後合わずにデータが消される方を採用しました。HALリスペクトなら入れたいところだが、無い方がリー検査官が独りよがりで曖昧な罪悪感を抱いてくれそうだなと思ったので(ゲス顔)
もう一つは開発者とリー検査官の会話。本当は彼らはちゃんと話をする予定だったのだが、話の筋が少し逸れてしまう気がしたのでこちらは中止にさせてもらった。勿体ないおばけなので途中まで書いた会話文は保存してある。

この話を書いている間は、色々と新しい曲に出会えた。
SFっぽいピコピコ音のある曲を、と巡っているうちにNoCopyrightSoundと言われる曲たちで幾つも良いインスト曲を見つけられたし、書いている間はあまり聞かなかったが(執筆中に他の言語が入ってしまうと文章が書けなくなるので) 歌も何曲か新しく知ることが出来た。

以下、とりわけお世話になった曲たち。
Different Heaven – Nekozilla //youtube.com/watch?v=6FNHe3kf8_s
Tobu – Candyland //youtube.com/watch?v=IIrCDAV3EgI
Tobu & Itro - Sunburst  //youtube.com/watch?v=4lXBHD5C8do
NSCは某動画サイトで大量に公式の音響が聞けるので本当にありがたかった。

Selena Gomez, Marshmello – Wolves //youtube.com/watch?v=xrbY9gDVms0
これはNCSではないが、執筆前の精神統一でお世話になった歌。リーの名前の色が夜の森の色になったのはこの曲のせいかもしれない。


―――――――――――――――――――――――――――――

■ 五月号  薔薇香る憂鬱
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885839639
飛び入り参加させて頂いた四月号で温かい言葉を頂いたのを良いことに続けて参加させて頂いた五月号。
タイトルを見てパッと浮かんだのが、湿った土と踏まれた花弁の匂いだった。
本当はもっとギャグを書こうかと思っていたのに、話を練っている途中「ああこれ多分殺人犯の供述だ」と思ったのがすとんと来てしまったので最終的にこんなことに。
結果的に、あの匂いを嫌な方向にもっていくことが出来た気がする。
イギリス怪奇小説を現代日本にアレンジしてみた話を書いてみたい、と思った覚えがあるから、この辺りから参加するごとに色々と挑戦してみようと思っていたのらしい。

ネタは割とさっさと思い付いたのだが、全く形にならずえらく苦しんだ。作業用BGMも中々しっくりくるものが見つからなくて苦しんだ。途中「そうかこの語り手は女子大生なんだ」とふと気が付いてからはようやくスムーズに書けるようになったが、それまでは本当にしんどかった。

当時ギターの音楽を必死になって探していたのだが、もしかしたらBlackmore’s NightのGhost of a Roseという曲が、タイトルから無意識に導き出されていたせいかもしれない。
//www.youtube.com/watch?v=kPk9c0UK0Fg (公式)

話の筋と全然違う歌詞の内容なのにな。


―――――――――――――――――――――――――――――

■ 六月号  飴と傘
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886033801
どんな話にしようかなーと考えながらぶらぶらと散歩していたのが、梅雨時なのに珍しく晴天だったせいかもしれない。
パッと浮かんだイメージがモネの日傘の女。
それに加えて、新しい挑戦としてWelcome to Night Valeというラジオドラマで二人称の回を聞いて以来チャレンジしてみたかった二人称小説を選択。
結果的にあんな感じの話に落ち着いた。とりあえずやってみたかったことを出来た、という点では満足。
ただレビューを拝見して初めて自分が「携帯でこの文章を読む」という可能性を一切考慮せずに書いていたことに気が付いたので、そこは以後気を付けたいところか。あっぶねー、スクロールするシーンでマウスとか書かなくてよかった。 
因みに途中出てくるルノワールの絵画は「ムーラン・ド・ギャレット」、マグリッドの絵は「ゴルコンダ」をイメージしてました。
作中の紙芝居屋は、昔公園で黄金バットの紙芝居をしているのを見かけた時からいつか書いてみたいと思っていたモチーフの一つだったので、ようやく書けてほっとしている。

これは唯一音楽が本当はいらなかった話だった。
練っている間はピアソラの「ブエノス・アイレス午前零時」と Wintergatan - Marble Machine (//www.youtube.com/watch?v=IvUU8joBb1Q) 、
それから Clean Bandit - Rather Be ft. Jess Glynne (//www.youtube.com/watch?v=m-M1AtrxztU) に大変お世話になっていたのだが、いざ書く段階になった途端、音楽を聴きながらの作業で調子が狂うようになってしまった。
それでも途中までは無理矢理書いていたのだが、結局文体が気に食わず、三十日に全部消し去って一から書き直す羽目に。

音響でBGMを一切使わず、効果音だけを使う舞台のようなものだったんだろうと今では思う。
ところで上のMarble Machine、曲だけでなく映像も無茶苦茶すごいから是非これを読んでいる方にも動画で見て欲しい。楽器も仕組みも格好良いから騙されたと思って。出だしだけで良いから。

―――――――――――――――――――――――――――――

長くなったし眠くなったので一度切り上げ。
朝起きて我に返らなければ、続きます。