ファルコムとPC-9801とイースと私

あなたとスーファミの物語https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054885058893
スーファミじゃないから参加できないけどインターネット老人会のほうで。




http://psyzans.com/Kura/YsII/MFY.html

当時、我が家にはPC9801があった。

父が仕事のためにと買ってきたものである。母とケンカしたそうだ。フルセットで50万超。家でぱかぱかと一太郎の文書を作り、ロータス123の見たこともない画面を一度表示させただけの。

私はフラッピーで遊んだ。倉庫番で遊んだ。ぴっぴぴっぴ鳴る黒い画面。可愛かった。ぎざぎざのドットキャラ。無意味に何度も死んだ。そして何度も生き返る。そして三国志(ナンバリングなし)があった。イナゴだ・・・!一国も治められず死んでゆくりゅうび。リセットの嵐。鳴り渡るビープ音。ピポッ?


当時、電気屋さんにはもっと安いパソコンがあった。PC8801。父はゲーム用のパソコンなどいらん!と思ったらしい。母の手前、当然である。おかたい公務員がゲーム用パソコンなぞ買うわけがないではないか。仕事用だからな。


だがしかしPC9801にはゲームがなかった。ファミコンさえあれば人間はパソコンのみで生きていける。そう思っていた。

そこで上のライナーノーツである。

>ゲームソフト「イース」が発売されたのは、昭和62年6月21日でした

ええっと昭和・・・西暦何年ですか・・・???(1986年らしい)

見なかったことにしよう。とにかくイースはまず8801版で発売された。それについて私は寡聞にして知らない。そもそも8801の実機すら見たことないよ・・・私が知っているパソコンはビデオデッキを二つ積み重ねたような灰色のでっかい箱だ。殴るとゴンゴン金属の音がする箱である。そもそも当時はパソコンすら見たことがない。なんせ昭和だからな!


そしていつだったか、イースを買ってきた。おい父。仕事用ではなかったのか。5インチフロッピーディスクだった気がする。ゲームの箱の蓋を開けると、くだんのライナーノーツが入っていた。

ゲームについてではない。古代祐三氏の音楽についてのコメントである。


は?


と思った。音楽についての紙切れ。ゲームより何より音楽についての紙切れがなぜ。
とにかくイースは優しいゲームである。私はぺらっぺらの5インチフロッピーディスクをパソコンへと入れる。ゲームスタート。

ぴん~ぴろぴろぴろりらり~~ぴんぴろぴろぴろりらり~~~


PCM音源だった。さてここで問題。現代のみなさんは、PCM音源をご存知だろうか。
ぴろぴろ鳴る音である。電源を押すと鳴るのがビープ音。ピポッ?

イースの音楽はビープ音とPCM音源でできていた。


おかしい!私は混乱した。確かにかっこいい。かっこいいけど、ぴろぴろぴろ言っているだけではないか。

そして、考えた。電気屋さんに行った。
さてここで問題。現代のみなさんは、インターネットをご存知だろうか。
アホか馬鹿かとおっしゃりたい気持ちは分かる。だが、


当時、パソコンはスタンドアローンだったのだよ!分かるかな!?







~~


だよ!

インターネットなんてものはなかったのだ!当然、ネットで調べるぴょーん、などということはできない!!!!!!

なので自転車をこいで電気屋さんへ行った。
イースを展示してあるPC9801の前に陣取った。かっこいい音楽。そして横に並べられている謎のメカに目が留まる。

ヤマハFM音源ボード。FM音源+SSGの豊かな6重和音。



嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああ!!!!

って思ったね。思ったよ。私は泣いて家に帰った。泣きながらぴろぴろ言うイースをプレイした。ラスボスのダルクファクトが倒せなくて一ヶ月ずっとでれんでれんでれでんでれでれの部分をぴろんぴろんぴろんぴろぴろでプレイし続けた。こんな音じゃないはずだ!音がぴろんぴろんのせいで倒せないんだ!うわあああん・・・勉強しなさい!またパソコンばっかりして!勉強しなさい!うわああん!ぴろんぴろん!






それから幾星霜。ミレニアムを超えて、私はファルコムに永遠の愛を誓うよすがたるイースエターナルと出会う・・・

流れる雲。飛来する光。振り返るリリアちゃん。オープニングだけをえんえん流し続けた日々。美しい。美しい。よみがえるぴろぴろ音。違う。ぴろぴろに涙したあのころの私とは違う。今の私は。



だが、その話はまた今度。

6件のコメント

  •  そうか、音源がこみこみっての画期的だったんですね、ファミコンとかって。しかしイース(と古代先生)は人気ありますねえ。
  • 私はMSXユーザーだったので音源のショボさは共感出来ますぞ。ちなみに友人がPC8801持ってました。イースもプレイしていましたよ、彼。MSXとは違うなあと羨望の眼差しで見ておりましたよ、ええ。
    MSXのショボい音源でもファルコムのBGMはすごかった。聞き惚れましたねぇ。

    当時のソフトハウスで生き残ってるのって光栄とファルコムくらい? あ、そうかスクエアエニックスもか。後知らない。栄枯盛衰ですな。
  •  「イース」って、なにかの家庭用ゲーム機でやりました。「Ⅰ&Ⅱ」なんだけど、思いだせない。

     たしか体当たりで倒すんだげと、真正面からぶつかるとダメージ食うから、斜め後ろからストーキングしていって、振り返ったところを襲うとかいう卑怯な男が主人公だったような。

     で、「Ⅲ」もやったんだけど、こんどはボタン押すと剣をふるんだが、またまともにやると負けるんで、階段の下で待ち伏せして仕事人みたいにもの影から斬りつける、やっぱり卑怯な戦い方だったようなうな。
  • イースはps4に行っちゃってからご無沙汰なんですけどスチーム版があるんでダウンロード版買いたいんですけど今度はPCのほうが非力すぎて対応できてないんで悔しくてワンダラーズフロムイースのエターナル版であるところのフェルガナの誓いをDMMからダウンロードして買ってぶひぶひ言ってるんですけどぶひぶひとにかくイースはすばらしいです。
    あの当時のパソコンゲーム屋で生き残ってるのはファルコムと光栄ぐらいですかね。ああ団地妻。コーエーもテクモと合併してるぐらいだし生き残ってるのはファルコムだけだということで!われわれ信者がリメイク版すべてを買って支えているのだという自負があります!(おい)

    >大竹さん
    卑怯な戦い方をするからいかんのです。正々堂々真正面からぶつかるのが正しいゲームのやり方です。そもそも斜め後ろではなくて半キャラずらしという技なのですあれは。16ドットずらして攻撃。
  • 古代さんのインタビューで、イースのサウンドはPC98のために作った、みたいな話があったかと思います。あの98音源でないと出せない音を前提に作られたから、デジタル音源にすると良さが消えるのだとか?
    そして当時の没曲「OVERDRIVE」がエターナルで復活したとか聞きまして(98以前しか知らない)、ニコ動で聞きましたがアレンジ良かったです!
    ⅠもⅡも研ぎ澄まされたサウンドが脳に焼き付いています。
  • アマゾンのアンリミテッドミュージックでファルコムのCD全曲聞けるんで。そのために月額払ってダウンロードしました!一日中聞いてますw
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