「なぜ今まで小説はおろか、近況ノートすら書かなかった? 言えッ!!」
「……はぁ……はぁ……」
書きたくなかったわけじゃない……書けなかったんだ。
「お前の頭の中にある作品のタイトルを読み上げてやろうか……なになに、『石ころのレザリア』、『グランディオーソ・グラディウス』、『転生のサイスタニア』――」
「それ以上はやめろぉ……!」
「――ふん、どれもネット小説においては読者に恵まれなさそうなタイトルだな! 個人的な思い入れがあると見たぞ!」
「うっ」
だって……だって……短いタイトルが好きなんだ! タイトル回収された時の感情の高ぶりなんて…………たまらないじゃないか!
「で、書いたのか?」
「……いや」
「貴様のパソコンの中にある『小説』フォルダから、書きかけのファイルが見つかったぞ」
「くっ……」
「力量以上に長大なファンタジーを作りたがるからそうなるのだ!」
「だって、『ゲド戦記』で育ったんだもん!」
「……読んでいた当時、半分も内容を理解できなかった貴様がか?」
「意味わからなかったけど、面白かったんだ! 悪いか!」
「『ボーボボ』みたいに言うなぁッ!!」
「ガンジスの流れッ!!」
くっ、『ボーボボ』と聞くと、どうしても『不協和音を奏でながらピアノで敵を引き飛ばす』シーンが頭に浮かんでしまう。
「……加えて、今ではその内容の10分の1も覚えていないだろうに……愚かな。育ったなどとはおこがましすぎるわぁ!!」
「……くぅ」
「それに児童文学にハマっていた時期はあったが、それ以降はほとんどアニメしか見てなかっただろうがぁッ!!」
「ぐわああぁぁッ!!」
もう、立ち上がれそうにない。
「10分の1でいい」
「……?」
「偉大な作家たちの10分の1でもいいから、頭ひねって書いてみろ」
「何だって……?」
「まずは10万字だ……長大な物語の全てでなくてもいい。その一端を見せてみろ!」
「だ、だが……」
「貴様……さては既に考えているプロットを変更するかどうかで悩んでいるな……?」
「なぜ分かった……?」
「そういう事は新人賞に出すときにでも考えろぉ!!」
「くそぉ! 出すことすらできないッ! なぜなら超短編しか書いたことないからッ!」
「……ネット小説なのだ。多少粗削りでも、何度だって修正もできる。今出せる力を今出さずしていつ出すのだ!?」
「はっ……!」
――ということで、近いうちに10万字程度の作品を投稿することになりました。
タイトルは――
『石ころのレザリア』
――のままになるのか、はたまた長文タイトルになるかは不明ですが、とにかく……投稿するぞぉ……!
ところで、偶然目にして読んでくださり……なおかつここまで読んでくださった――
――先生!
「ありがとうございます!!!」
先生の作品もいつか読んでみたいので、よろしければ教えてくださいね!
ではでは、気が変わらないうちに『公開』ボタンを押すとします!