作中、絶対明の援軍は来ないと尚豊や蒼志が言ってますが、この時代の明は万暦帝です。
万暦帝は張居正のなくなった万暦10年(1582年)ごろから徐々に仕事をしなくなります。
国家の財政や人事などもガン無視して後宮に引きこもってました。
万暦帝は必要人事さえしませんでした。
そもそも官僚と顔を合わせることすらしなかった。国が滅ぶ、と言う事態になるまで仕事しなかったんですね。
それに相まって万暦三征などにより財政は逼迫。
逼迫した財政はきつい税を課して回収しようとし、国民はとても疲弊したようです。
自国の政治さえ碌にしないのに海を隔てた琉球を助けるはずもない。
その辺の事情は尚氏も知っていて、最初から期待しない、と言う話ですね。
明と琉球の貿易はやってますから、情報はそこそこ入ってきている設定です。
明の十三陵のうち、万暦帝の陵墓は発掘調査されています。
1950年代の実施のため、調査技術がまだきちんと整備されていなかったが故に副葬品も殆どが崩壊しているとか。
ただ、発掘調査されていたために、後の文化大革命で彼の遺体はボコボコにされた後ガソリンで焼却されています。
いくら「明朝は万暦に滅ぶ」と言われる程皇帝に向いていなかったとは言え、死後にそんな目に遭うとは、悲しい事ですね。