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Empreintes Ⅲ

『走り出した午後も
重ね合う日々も
避けがたく全て終わりが来る


あの日のきらめきも
淡いときめきも
あれもこれもどこか置いてくる


それで良かったと
これで良かったと
健やかに笑い合える日まで


明けてゆく空も暮れてゆく空も
僕らは超えてゆく
変わりゆくものは仕方がないねと
手を放す、軽くなる、満ちてゆく

満ちてゆく



手にした瞬間に 無くなる喜び
そんなものばかり追いかけては
無駄にしてた"愛"という言葉
今なら本当の意味が分かるのかな


愛される為に
愛すのは悲劇
カラカラな心にお恵みを

・・・・』

満ちてゆく/藤井風



母の胎内にいたわたしは
母の猛烈な不安に耐えるため
一生懸命おとなになろうとしていたらしい

大好きなお母さんの
不安な顔をみたくないから


そんなことを続けていたら
15さいぐらいからこころがちいさな悲鳴を上げ始めて
ぽっかりとあいた穴が
身体とこころをむしばんでいった



「愛」なんてわからない
よくわからないから
フロム先生の本を読んで
いちおうそれを参考にはしているけど

それは間違ったほうへ自分が進まないようにするためのもので

わたしの「愛」は
まだよくわからない


ひとそれぞれ「愛」の感覚や価値観もちがうから
話し合ってみたい気もするけど
なにかを断定したり
批判もされたくない


でもたしかに
自分のなかにあたたかななにかが存在していることはたしかで
たまにしにたくなるけれど
それでもそのちいさなひかりは
すみっこでちいさくともっている


いまは、それでいいとおもっている

そのひかりに名前はない


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