雪村悠佳

朝起きたら頭の上にねこみみが生えていた。 困惑する私だけど、他の人には何も見えないらしい。仕方がないのでそのまま登校すると、もう一人だけねこみみが生えている男の子が。どうやらね…

某所のワンライ企画で書いたものを置いていきます。 １話完結です。 基本１時間で書いていますが、タイトルや誤字脱字の修正などは終了後にも行っています。

大陸縦断鉄道の小さな途中駅の駅前で。 某所のワンライ企画で書いたものです。 よろしくお願いします。

陸上部では鬼先輩として親しまれている――本人はただ真面目なだけなのだが――木島衣乃。 その後輩の明空智美は、部活に真面目というほどでもなく、頼りなくて甘い感じの、本来なら全くタイ…

大草原の向こうの山の端に、夕日がゆっくりと沈んでいく。 全てを朱く染めるように。 ……その景色を見ていられる時間はあまりないけれど、それでも、できる限り、僕たちはその景色を目に焼…

高校デビューなんてかっこいいものじゃない、歪んだものだけど。

救国の英雄、と私は呼ばれている。 だけど私は、本当は英雄になんてならなくてよかった。 ただ平穏に、君のそばにいられれば、それで良かったのに。 3000字ちょっとの短いお話になり…

50年後の未来から来たのだと、彼女は言った。 24時間だけいられるという彼女のために、未来をちょっとでも変えるために、私たちの冒険が始まる。 これは、時を越えて未来を変えようと…

真夏に喉を潤すスポーツドリンクのように、気持ち良くて、心地よくて、だけどあっという間に通り過ぎていくような。 ちょっぴり甘くて、だけど酸っぱくて苦い、そんな小さな恋のおはなし。

冬の夜、こたつの中で、私は物思いに耽る。 過去のこと、現在のこと。ひとりぼっちの家の中。 回想のみ、主人公は一歩も動きません。 叙情的なとても短いお話です。

流れ星を見たい、と腐れ縁のあいつに言ったら、流星群を見に行こうと誘われた。 初めて見る流れ星の夜の、小さな物語。 3000文字弱の、短いお話です。

「僕、アズって言います。で、隣の女の子が」 「ユーフォって言います」 「僕たち、旅芸人をしてるんですけど、音楽を奏でたり手品をしたりするんじゃないんですよ。こう、面白い話をして、…

依頼をこなした日の夜、酒場で祝杯を挙げている最中に、リタが突然「ユールの馬鹿！」と叫んでどこかに飛び出していった。 しばらく呆然としていた僕は、リタが帰っていると信じて宿屋に向か…

友達とのちょっとした夏休みの探検のはずだった。 それが、あんなことになるなんて。 草むした屋敷と、不思議な歌。 そして、うさぎさん。

夏休み。 僕は、廃線になった幌倉鉄道に今も残る駅跡を訪れた。 炎天下、草ぼうぼうの荒れ地の中に当時のまま時が止まったかのように――だけど時の流れを物語るように、すっかり荒れ果てて…

中等学校２年生の僕のクラスに転校してきた、転校生の彼女と。 夏までの短い時間の交流と、約束と。 世界は変わらないようで、変わっていたり。 3500字強ほどの、短い作品です。