この序章は、多くの人が感じるであろうとおり「隠し事」の書きぶりに徹しています。
これから始まるストーリーの重要な構成人物(の一部)となる二人の女の子の掛け合いは、レトロチックでありますが、ストーリー全体の雰囲気を代表するものでもあります。
「だわ、てよ」言葉と呼ばれるこうした女の子の語り口は、今でこそ「お嬢様」言葉のように思われていますが、当時は「流行り言葉」の一つで、今でいえばJK言葉のようなものであったかのようです。
それでも、時代を経ても頑なにこの語り口を続けるというのは、ある意味「閉じた世界」での特長であったようにも思われます。
SNSが当たり前のように普及した現代では、言葉や文化は瞬く間に広がり、浸透していきますが、つい20年ほど前まではまだまだ「閉じた世界」というものは、当たり前のようにそこいら中に存在していました。
「思春期」に護られた「学校」という存在もその一つでした。
この(従)姉と(従)妹が、今後どのように登場してくるのか、またどのように活躍するのかは、読み進めてのお楽しみとなります。
※画像は、実在の人物写真に基づくものではなく、創作作品です。