氷室冴子さん、ご存知の方も多いと思います。
コバルト文庫の看板作家にして、
少女小説の域にとどまらない活躍をされた方です。
彼女の古代転生ファンタジー『銀の海 金の大地』が大好きでした。
他の作品がよく代表作としてはタイトルがあがりますが、
私は、この作品一本。
この作品で、日本の古代史に傾倒していったほどです。
主人公の女の子真秀が大好きで、
彼女に反発しながら惹かれていく豪族の王子左保彦が大好きで、
結ばれるにはあまりに大きな激動の時代の波に暗雲を感じつつ、
ラストは二人の幸せを願い続けた小説です。
真秀が中心の第一部が終わり、第二部を待つ間に、
彼女は51歳という若さで亡くなられました。
構想を練っていたであろうと思う中での訃報はショックで、
二度と続きが読めないのかと、当時は茫然としていた覚えがあります。
その彼女の名前を冠した文学賞が創設されました。
その賞に応募した作品が、
『僕の中には、化け狐が棲んでいる。』
尊敬する作家です。
だからどうしても、実力とか以前に、応募したかった。
実力で悩んで、辞めようかと思っていたのですが。
世界は、『狐の声がきこえる』のもの。
登場人物は、16歳の男子高校生です。
男子高校生メインは、初めて、かもしれない。
ので、イマドキ男子高校生は、こんなんじゃないよ。
なんて声もある、だろうなああ。はあ。
それでも、読んでいただけたら、嬉しいです。
ゴトウユカコ 拝