こんばんは。
表題の通り、万年筆エッセイ『万年筆探訪記』およびその番外編が、本日の更新分を以て完結致しました。
思いの外長いことかかりましたが、ちゃんと完結まで書けてよかった。
最後の記事で、少しだけカートリッジインクに触れました。
その中では書ききれなかったものに、パイロットの赤カートリッジがあります。
僕は今、職場ではカクノのスケルトンに赤いカートリッジを挿して、赤ペンとして使用しています。
もともとはエルバンカーマインの上澄みだけ吸って使っていたのですが、いくら吸わないようにしてもやっぱり金粉入ってしまいますし、いかんせん鼻血色なので、色が暗すぎるんですよね。
なので「やっぱスタンダードな赤買わなだめだな」と手を出したのが赤カートリッジでした。
それまで使っていたカートリッジはすべてブルーブラックだったので「言うて赤はブルーブラックと違って単色だからな。単調なつまらん色なんじゃろな」と、偏見マシマシレインボー色眼鏡で見ておりました。
一文字書いてすぐ、僕はその偏見を反省することになります。つまらんのは僕の人間性の方でした。
なんかね、かわいいんですよ。赤に透明感があるんです。
赤ペンとしてフォーマルな場で使用してまったく差し支えない色でありながら、『どこにでもあるような面白みのない色』ではない――例えるなら、そう、いちご水のような可愛らしさを感じる、そんな色。
カートリッジインクに対する見方が、あの瞬間、180°ひっくり返りました。
これは、わざと大げさに言っているのではないですよ。本当に、です。
「カートリッジインクは色味の美しさという点でボトルインクに劣るものである」という、僕の思い込みが吹き飛ばされたのです。
カートリッジインクは、日本製のものに関して言えばメーカー間で互換性が無いので、あれもこれも試してみるというわけにはいきませんが、そういう点でもインク無限収集地獄にはまらずに済みそうで、却って良いかもしれません。
パイロットのカートリッジだけでこんなに書けるなら、最終回前にカートリッジインク回はさんでもよかったかもしれませんね。
まあ、やらなかったことの話はよしておきましょう。
ここで赤カートリッジのお話ができて、いよいよ満足しました。
うん、本当に楽しかった。
……で、終わるともうどこからどう見ても『未練を果たして成仏していく霊魂』になってしまいますので、もう一言。
次は! エッセイだけじゃなくて! 本業の! 物語で! 感想を! もらえるように! なりたいです!!!