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『天使と悪魔の諸事情』:あとがき

なぜ、私はこんなにも不幸なのか?
なぜ、他人はこんなにも恵まれているのか?
なぜ、世界はこんなにも理不尽なのか?

ヒトの中に巣食う呪い
油断すると、喰われ、溺れ、抜け出せない

だが、それは本当に『呪い』なのだろうか?

そこから何かを見出せたのなら、貴方は幸いだと私は思う


*  *  *


『天使と悪魔の諸事情』は、2018年10月30日、小説家になろうからスタートしました。
連載当初は、完結までこんなにも長い期間がかかるとは思っておりませんでした……。
それにもかかわらず、最後まで見届けてくださった皆さまには、感謝してもしきれないほどです。本当にありがとうございました。

週1回だった投稿も、途中から作者の都合により月1,2回となってしまいました。しかしブクマ数にあまり変動がなく、投稿時のPVもブクマ数と毎回ほぼ同一だったこと、毎回ありがたく思っていました。

また、直接「更新、待っています」とお声がけ下さった方々、レビューや評価、ブクマやコメントなどをくださった方々にも、深く感謝しております。

多くの皆さまのおかげで、当作品は無事に完結まで辿り着けました。


初めて投稿した日のことを、今でもとてもよく覚えています。ただただ怖かった。
読まれないことへの不安ではなく、読まれたうえで否定や拒絶をされるのではないか、と不安でたまりませんでした。

実は試しに、Twitter内で或る作家さんのRT企画に参加したことがあります。
その際にいただいた感想を要約すると

・過不足ない叙述の密度
・リズムが心地よい
・隅々まで観察が行き届いている
・流行を模倣する必要がないほど、独自の作風を持っている

ホント……もう昇天するかと……。
あらかじめお伝えしますと、この作家さんは、悪いところも端的かつ冷静に指摘してくださいます(そのため、この企画に参加しました)
いただいたこの感想は、作者に自信を与えてくださいました。そして、今でも大切にしている感想の1つです。


当作品は皆さまもご存じの通り、流行を題材にはしていません。そして、以前からTwitterでも軽く伝えておりますが、作者は天使や悪魔にさほど興味はありません(笑
では、なぜこの作品を書いたのか? 出発点は、作者の学生時代にまで遡ります。

作者が最初に知った名は『ルシファー』でした。その特異な背景を知り、疑問を持ったことが、この物語の始まりです。
しかし、当時は物語を書く技術は持ち合わせておらず、疑問は空想だけに留まり、いつしか消えてしまいました。

その消えたはずの疑問が、この作品を投稿する半年ほど前、湧き上がるように突然思い出したのです。
そこからは、気を緩めると、頭の中で断片的な映像が繰り返されるようになりました。
なぜそのような事態になったのか、思い当たるキッカケはありますが、ここではお話ししません。しかし『外』に出たがっている、出さなければという思いが日増しに強くなり、7年ぶりに筆を執ったのです。

そうは言っても、まともな小説、しかも長編なんて書いたことはありません(元々は詩人)
自分の未熟さを痛感しながらも、最後まで書ききるという決意で執筆を続けてきました。
物語は練れば練るほど生き物となり、予測出来ない動きの舵取りに苦労しつつも、難儀な作業すら楽しくて仕方ありませんでした。

昔の作者からすると、これはとんでもなく驚くべきことです。
過去のトラウマのせいで、書くことはもちろん、小説も読めず、SNSを閲覧すらできなかったのですから。
この作品を通して作者が実感したことは『どんなに長い間離れようとも、本当に好きなら、やはり戻ってきてしまう』ということです。
書くことが好きだという気持ちは、今後も大切にしていきたいと思っています。

また、Twitterいう場でたくさんの創作者さんと出会い、さまざまな考えや優しさに触れる機会を得ました。
良いことも悪いこともあるTwitterですが、作者にとって、大切なフォロワーさんたちがいる大切な場となっています。


この作品を通じて作者が伝えたいことは、すべて文章の中に込めました。
もし『何か』を感じ取っていただけましたら、これ以上嬉しいことはありません。

さて、『天使と悪魔の諸事情』は完結してしまいましたが、作者の頭の中では、次の作品が「早く出せ」と言っています(苦笑
完結した作品の経験をもとに、さらに完成度の高いものが書けるよう精進したいと思っています。新たな作品が完成した際は、再びお付き合いいただけましたら幸いです。

それでは、次の作品で、皆さまにお会いできることを楽しみにしております。
最後に重ねまして……


長い間、『天使と悪魔の諸事情』をお読みいただき、愛していただき、本当にありがとうございました!


2022年10月30日  芳乃 類

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