• エッセイ・ノンフィクション
  • 現代ドラマ

6月6日

 今日は、作戦を練って、コトゲに、働きかけようと、考えていた。
 朝、行くと、タバコを吸って、一息ついていた。
 間もなく、コトゲがやってきた。
 「コトゲさん、話したいことがあるんだけど」
 しかし、コトゲは、昨日考えた、やり方を説明しようとすると、拒否反応した。
 しょうがなく、それは、断念することにした。

 朝会の後、草取りをして、カゴが、入ってくるのを待った。
 ゴウと、話しながら、面白可笑しく、草を抜いていた。
 ゴウとは、相性がよさそうだった。

 やがて、カゴが来た。
 守は、今まで通り、皆に支援しながら、作業を行っていた。
 すると、イナズマが、「お願いします」を言うようになった。
 ……いやあ、イナズマ、成長したな……
 やがて、お昼になり、守は、ゴウに、昨日作成した「とある事業所」を、あげた。

 タバコを吸っていると、修が来て、具合の悪そうな様子だった。
 喫煙所を離れて、ゴウのそばに行くと、冊子がなくなっていた。
 片付けたのかと思っていたら、修が、勝手に持っていき、事務所に放り込んだという……。

 諍いを、するわけにもいかず、終礼まで、動かないことにした。
 作業を進める中で、イナズマの声掛けが、段々、正確になっていった。
 きっと、もう、後戻りはしないだろう……。

 やがて、作業が終わった。
 当番の掃除をして、事務所に行った。
 すると、施設長が、「これ、事実でしょう、まずいです、前にも言ったでしょ、書かないって、……」

 守は、続編を書こうとしていたのだが、いきなり障壁にぶち当たった。
 「考えるのは、自由でしょ」
 そう反論すると、「ダメです」と言う、「書くのは良いんだけど、これ、ノンフィクションでしょ、フィクションを書いて下さい」
 守は、何も言えなかった。

 守の続編は、ここで、絶たれた。

 

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