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6月5日

 昨日は、天気が良くて、事業所で草取りをしました。ゴウと話をする機会があって、楽しくお話をしました。
 守は、ゴウに、自分のギャグを、展開していました。
 「イルカはいるか、これ、面白いでしょう!」
 そういって、笑わせました。

 守は、イナズマとも話しましたが、イナズマは、自分の話をしたがり、余り、気分の良いもではありますせんでした。

 お昼の休憩の時間に、コトゲと、話をしました。
 「イルカはいるか? ねこがねこんだ、このかれんだー誰んだー、かれんだー」
 そういって、じっと見た後、ちょっと、間を取って、「面白いでしょ」と言って、笑わせました。
 
 守は、そこで、コトゲに、ギャグの言い方を教えようとしましたが、障碍者特有の頭の固さがあって、思った様に行きませんでした。
 コトゲは、言われたことは、繰り返すのですが、間を取ることが出来ませんでした。

 その事を、守は、昨日、家で考えていました。
 そこで、守は、閃きました。
 ……「揺れて、止まる」、それを、頭の中で考えて、気持ちが止まることで、間を取って、決めの言葉である「面白でしょ!」と言う……
 守は思った。
 ……でも、そんなこと、考えているわけではない、そんなことをしたら、次の行動に移れない……

 そこで、考えた。技にして、覚えさせられないか?

 具体的には、ちょっと、頭を揺らして、止める、確実に止まったら、顔を上げて、相手を見る……。
 そして、タメを作った後、行動する。
 守は、その技が、上手くいきそうな予感がすると、その方針で、コトゲにアドバイスをすることにしました。

 6月5日、当日の朝、実際に、コトゲに、アドバイスしてみると、不要な摩擦や、自分の思いの強さから、それは、上手く説明できませんでした。
 守は、その場面を通して、昨日考えた説明の仕方では、コトゲに、上手くいかない事が、わかり、修正を余儀なくされました。

 ただ、前に、仕込んでおいた「お話してもいいですか?」が、定着しているので、ここで、引くのはもったいないと思い、その修正案を考えていました。

 守は、早速、修正案を考えました。

 修正案は、こうだ……。

 相手の目を見た後、「お話してもいいですか?」と聞く、その後、口元に視線を、止めて、「はい」という、返事を待つ「はい」の返事をもらったら、「イルカは、いるか」と、言う、その後、視線を下方に落とし、……止まれ……と、強く念じる、体中いきわたったら、顔を上げ、「面白いでしょ」と、相手の目を見ながら言った後、毒を吐くように、ふっと、吐きながら力を抜いて、口角を上げて笑う……。

 そういう、修正案を考えた。


 その一方、日中は、ゴウとイナズマと、一緒に、草取りをしていました。
 草取りの最中、ゴウは、結構面白い男で、守のギャグの受けもよかった。

 ゴウは、近い将来、学ぶ為に、よその精神障碍者の教育機関の施設に行きたいと、言っていました。

 そこに、イナズマもいたが、余り、相手にしませんでした。

 午後は、体調を崩し、早退しました。
 

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