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『贖いのオリキュレール』完結、あとがき

「フォロワーに好きな要素一つをあげてもらってオリキャラを作る」
確かこんな感じのツイッターのタグで『贖いのオリキュレール』の主人公パウのビジュアルができました。
当時、私は小説だけではなく、キャラのイラストも描いて一次創作を楽しんでいました。
一次創作をやる人間のうちの「うちのこ勢」に含まれていたと思います。
とにかくそんな具合で「パウ」というキャラクターのデザインが出来上がりました。
そう、実はパウ、物語や設定から生まれたわけではなく、ツイッターでの交流でビジュアルができたキャラクターだったんです。
その後、ビジュアルができたのだから、このキャラクターの名前はこうで、設定はああで、そもそもどんな世界にいて……と自然に湧いてきて。
そうして出来上がったのが、プロトタイプと言っていい「パウ」と『贖いのオリキュレール』の世界です。「うちのこ」あるあるですかね。
この時、ビジュアルとして「パウ」だけが作られましたが、付属して「青い蝶」「ミラーカ」も生まれました。
それらが生まれた後、2019年7月28日、カクヨムにて『贖いのオリキュレール』は連載を始めました。

『贖いのオリキュレール』はモチーフに、カフカの『変身』があります。「グレゴ」は「グレゴール・ザムザ」からとっていますし、終盤ベラーが使った深紅の魔法薬のモデルも、虫になったグレゴールに重傷を負わせた林檎モチーフだったりします。
同じく『変身』が元ネタである手塚治虫の『ザムザ復活』の影響も強く受けているなと、ある時作品を読み直して思いました。(いやそれにしても影響受けすぎてる気がして申し訳なくなってきた)
他にも『胡蝶の夢』があったり……他にもいろいろあるかもしれませんが、創作というのはたくさんの創作物を吸収して出来上がっていくものだと思うので、私自身気付いていない影響を受けた作品があったりするかもしれません。

連載するにあたり、絶対に未完成にしたくない、という気持ちがありました。書くからには、絶対最後まで書き上げたい、と。完璧にこだわっていてはいつまでも書けませんし、個人的な考えですが(本当に個人的な考えですよ)小説や物語創作物というのは、完結してこそ意味ができると考えているので、絶対に放置・エタだけは避けたかったのです。
今回、無事に完結を迎えられて、ほっとしています。頑張りました。

長期連載は大変でしたが、楽しかったです。
『あがおり』には書きたいと思うシーンがいくつもあって、それを一つ一つ書いていけたなと思います。
性癖もりもりですよ、特に第五章。
(そんな第五章の評判、よかったので作者もにこにこですよ、性癖に素直になることは大事だね……)
web小説的作品でもなく、かといって王道的な作品でもなかったと思います。ややひねくれた作品でしょう。
『あがおり』は「弱い人間」がたくさん出てくる作品に仕上がりました。その中でも一番弱い主人公パウが、救いを求めて、あがいて、くじけて、それでも再び立ちあがる様を書ききれたと思います。

あんまりにもうじうじしているから、読んでいて「おいおい」になった人もいるかもしれませんが、応援してくれていたのなら、幸いです。
無事に再び立ち上がることができ、完結を迎えました。
2019年7月28日にパウとミラーカの旅は始まり、2023年3月26日に終わりを迎えました。3年と8か月ですかね。長かったですね。
正直に言うと、書き上げた、という実感は薄いです。徐々に実感し、寂しくなってくるのかなと思います。
ただこの作品を書けたこと、書き上げられたことは、私にとって大きな経験であることに違いありません。

本当に、ここまで読んでくれた方々、ありがとうございました。
沢山小説がある中で、この小説を見つけてくれて嬉しいです。

2023年3月27日
最終章を公開して一晩が経ち、じわじわ完結した事実を感じ始めたひゐ(宵々屋)より

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