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本名は明かされませんでしたね。

 さて、『ひとりぼっちのソユーズ』。
 思うところがあって、書籍版から先に読みました。
 WEB版を先に読むのと、書籍版を先に読むのではどう違うのか、実際に試してみたいと思いまして。
 
 で、書籍版を読んでの感想です。

 思い出したのは、新井素子さんの『グリーン・レクイエム』。

 秘密の図書館
 小学校のグラウンド
 宇宙公園
 種子島
 星の街
 ……そして、月へ

 よく物語の世界に「引き込まれる」なんていう表現をしますが、その場に「意識を持っていかれ」、ときどき、はっと現実に戻ってくるこのカンジ。

 けど、ヒロインが何の病気だったのかわからないのがすごく気になったのです。

 「……もしかして、作者さんはそれを考えてなかったのかな?」とか、余計なことを考えてしまって。


 で、WEB版を読みました。

 Track.1は現実の延長戦上だけど、Track.2からは未来の物語。名作SFのオマージュがあり、他のユーザーさんがレビューとかでいろいろな作品の名前をあげていますが、自分が思い出したのは、元ネタつながりで、竹宮惠子さんの『私を月まで連れてって!』。
 昔のマンガですが、宇宙飛行士の青年と超能力者の女の子の物語。ご存じでしょうか?

 で、Track.3 
 
 ……引き込まれるどころの話じゃない。意識をまるごと持っていかれます。読むのをやめられない。細かいことを気にしている余裕もない。過去をやり直すSFやループものは数あれど、なんてすばらしい着地。すごい!! の一言です。
 

 ……そうだよな。君がただ助けを待っているだけの女の子のはずはな
いんだ。

 
 ところで、Track.3では皆さんがおっしゃる『夏への扉』の他に、サブタイトルで筒井康隆さんの『エディプスの恋人』を思い出したのは自分だけでしょうか? 七瀬3部作の最後の……。
 
 ……あれ? 七瀬??

 

1件のコメント

  • おはようございます

    病名、明かされてませんでしたね
    たぶん考えてなかったんでしょうけど、でもそれでも全然構わないと思いました

    あとスプートニクの名前も作中で一度も呼ばれませんでしたよね、誰からも
    でも、それもぜんぜんあざとさがなくて上手いな、って思いました

    『君の膵臓をたべたい』みたいな技法ではなく、昔読んだ平中悠一の本(タイトル忘れたけど)みたいな狙ってやった感が鼻につくこともなく名前が出てこない

    よかったですよね!

    くろ
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