• 歴史・時代・伝奇
  • 現代ドラマ

『歴めろ。』第四十話のうんちくコーナー

●灼のうんちく

式子内親王と藤原定家の秘めたる恋については、様々な伝承が残されています。
謡曲『定家』では早くに世を去った式子内親王<謡曲ではしょくし、と謡われてますが、実際はしきし、とどっちかは分かっていません>に恋い慕う定家の心が蔦となって這いまとい、立ち寄った僧が苦しみから解き放とうと経を上げるのですが、僧にお礼の舞を舞った後、自ら蔦の繁る墓へと帰っていくという話です。
 何というか、『愛』が重たいですね。。。

 『渓雲問答(けいうんもんどう)』によると、定家と式子内親王の密事を諫めようと父・俊成は定家のもとに訪れるが、有名な例の『玉の緒よ……』の歌を見つけてしまい、二人の情熱が本物であることを悟り、何も言わずに帰ったとのことです。

 平良は恋仲肯定派でしたが、否定派の有名なところでは、江戸時代初期の京都の医者・歴史家である黒川道祐の随筆『遠碧軒記』には、
 『……定家と式子内親王の密通といえども、式子内親王も定家卿と同時の人なるにより、両筆のものは東門跡などにもあれども内親王は定家卿の若きとき老婆なり。すれば定家の謡はそらごとなり』

 ……まあ、嘘と言い切るのも、思い切った論法ですが、『老婆』は言い過ぎかなと思います。

 と、いうように定家と式子内親王の恋愛関係について賛否は、まだまだ色々な方の説があるようです。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する