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サンタクロースへの手紙

十二月一日
錦秋の候も通り過ぎ、寒さ増す季節となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。昼間とや夜間の寒暖差で風邪などお召しになっていないことを願います。これからもご自愛ください。
 さて、師走。市街地では皆が聖なる夜、クリスマスに向けてあわただしく行き来していますね。先日私が某ドーナツ専門店で思索にふけっていますと(思索という程のものではないかもしれませんが。)ある家族が私の隣の席に着かれました。そこに小さな可愛らしい四歳程のお子さんが嬉しそうに買ってもらったのであろうサンタクロースの形のメッセージカードを眺めていました。どうやらサンタさんに手紙を書くようでした。すると彼女は私の視線に気づき、手紙を書くのだということをにこにこの笑顔で教えてくれました。私は何を書くのかと尋ねました。お礼だろうか、それとも来年の分のプレゼントの事だろうか、何にせよ幼気で微笑ましい。しかし彼女は「去年はこっそり手紙でプレゼントを頼んだのに、違うものが届いて悲しかったけど、今年は間違えないでねって書くの。」あまりにも淡々と悪気なく言ったものですから、思わず私は苦笑い。彼女の父親は「す、すみません…!」と引きつった笑顔で私か目の前の彼女か、もしくはそのどちらにもかそう言っていたので、私は思わず笑ってしまいました。その横に座る母親も笑いをこらえて震えていました。お店を出られる直前に両親と会釈をし、幼気な彼女も大きく手を振ってくれていました。
 慌ただしくて掠れた季節ですが小さな幸せを貰った休日でした。

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