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秋の唄

九月二十二日
夕餉の雑炊を片手に私はある方のエッセイを拝見していました。
何やらそれは、正岡子規先生のあの有名な詩を
秋の夜長に浮かばせたような繊細かつ優雅な作品でありました。
私は思わず鈴虫やらコウロギの声を聞きたくなり、外に出てみました。
しかし聞こえるのはビル風と夜の宵に悪酔いしたサラリーマンの声でした。
都会の煌々とした光の街の雑踏も良いですが、
こんな落ち着いた良い気分になれた時くらいは、静かな山奥の古民家などで
月を眺め、星を結び、虫の声に耳を澄ませるのも良いなと感じるばかりでした。

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