平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「六十七 翠令、竹の宮の姫君にお会いする(一)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927861202241294今回、初めて翠令が竹の宮の姫君と、直に顔を合わせます。
翠令は「六 翠令、竹の宮の姫君の話を聞く」で、佳卓からその存在を聞き、その動静を伝聞していたのですが、この「六十七」まで一度も会ったことがありません。
この二人が対面したのは、竹の宮の姫君が円偉に御所まで連れてこられたからでした。
本文中にもありますが、姫君は、かつて自分が住んでおり忌まわしい記憶がある「昭陽舎」から最も離れた場所を選んで「襲芳舎」に入ります。
今回は、内裏図を掲載いたします。
同じ図を5月2日投稿した近況ノートにも掲載しておりますが、ここで改めてご覧いただきたいと思います。
(5月2日投稿分。宜陽門と建春門と陽明門の位置関係は?―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「二十二」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/users/washusatomi/news/16816927863056348809)
今回「六十七」の本文中にもありますように、見ての通り襲芳舎は後宮の西北の隅、昭陽舎は東南の隅ですから一番距離が離れている建物です。
また、今回の最初の方で翠令が梨の典侍に連れられて歩いていますが、清涼殿とは飛香舎(藤壺)と凝花舎(梅壺)を介して廊下で繋がっています。
後々の展開、具体的に申せば「八十二」あたりで、この襲芳舎と清涼殿との位置関係が改めてポイントとなりますので、ご記憶下されば有難いです。
「知っ得 後宮の全て」(國文学編集部)の「襲芳舎」についての説明を引用しますと。
”五間四面。「雷鳴の壺」(略して「かんなり」ともいい、凝華舎の北にあり、内裏西北角にあたる。(中略)その呼称については落雷にちなむという説もある一方で、雷鳴の時に天皇がここに避難し滝口を召して鳴弦させたことから雷鳴の壺と称されたともいう”
拙作では雷は関係ないのですが、天皇が避難する=行き来しやすいという点を後で取り上げます(先ほども申し上げたように「八十二」あたりで……)。
竹の宮の姫君が、白狼が「気概がある」と評したように、なかなか剛毅なところを見せます。
少しずつクライマックスシーンが近づいてまいりますので、どうか最後までご愛読くださいますよう。