平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「二十二 翠令、佳卓を気遣う」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860834523043錦濤の姫宮と翠令が後宮から外に出るのに、複数の門を出入りします。
○○門が何度も出てくるのが、ごちゃごちゃして分かりづらいようでしたら申し訳ありません。
実は私も何度資料をあたっても頭に入りませんw 毎回、文章を書くたびに資料を横に置いて確認しながら書いております……。
内裏図と大内裏図についてはそれぞれ資料が残っています。
大内裏については、この近況ノートの過去記事に地図を載せています。
https://kakuyomu.jp/users/washusatomi/news/16816927861782214545(大内裏には地図がある!―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「六」を投稿しました!)
↓今回は内裏の中の地図を載せておきます。
どちらも「知っ得 後宮の全て」(國文学編集部)という本に掲載されているものです。
似たような地図は色んな本に載っていますし、ネットでもすぐ見つかりますが……。なかでもこの「知っ得 後宮の全て」はより詳細な気がします。やはり角田文衛大先生のおかげでしょうかw
大内裏は平安京の中央北部にあります。その中に内裏があり、内裏は二重の壁で囲われています。
内裏の後宮にある昭陽舎から東に出ようとすると、内裏の内側の壁の門(宣陽門)と外側の壁の門(建春門)を抜けて内裏の外に出ることになります。
建春門を外に出ると、北を職御曹司と南を外記庁に挟まれた空間に出ます。職御曹司の左隣に左近衛府があり、そしてその東が大内裏の外れとなり陽明門があります。
なお。
昭陽舎から東に抜ける内郭の門には宜陽門より北に嘉陽門という門もあります。
距離的にはより近いですから、ひょっとしたら史実では昭陽舎からはこちらの門を使って出入りしていたかもしれません。
ただ拙作はファンタジーですので……。
物語の本筋と関係のないところでシチュエーションを複雑にする必要はありません。
むしろ、ストーリーが余計にこんがらがるので、シンプルに外郭の建春門と向かい合っている宜陽門を登場させるのみにしております。
なお、拙作にはラストシーンの近くで、紫宸殿の正面にある承明門(内郭の門)と建礼門(外郭の門)とが登場します。
翠令と佳卓、白狼と竹の宮の姫君が、錦濤の姫宮のために、紫宸殿前を舞台に一度きりの賭けのような行動を実行します。
現代の京都御所は後宮の七殿五舎がないので、平安時代の内裏図とは異なります(紫宸殿と清涼殿を中心にこじんまりと縮小されています)が、承明門と建礼門の2つは現在の京都御所でも紫宸殿の前に存在しています。
その時になりましたら、現代の御所で撮影した承明門と建礼門の写真を、この近況ノートに掲載する予定です。
当面の間、翠令は宜陽門と建春門を使って左近衛に出向くことが多いとお考えいただければと思います。
ラストで紫宸殿前が舞台になるまで、引き続きご愛読くださいますよう。