平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「二十三 翠令、弓を習う」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860835667379翠令が過去にセクハラに遭い、弓術を習得しそびれたという話です。
そこで佳卓が紳士的に指導するのですが、佳卓が感嘆するように、翠令はとても運動神経がいいんです。
現代でしたら……。もちろん剣道や薙刀なんかをやらせたら上手いでしょうし、フィールドアスレチックなんかに行ってみたらスイスイ攻略できてしまうタイプです。
フィギュアスケートとかをやらせても、すぐに回転数の多いジャンプが跳べたり、難しいステップを踏みまくったり、ポジションの変化の多いコンビネーションスピンもできるようになったりするでしょうw 表現面はともかくもw
つまり翠令は身体を動かすことに関する野生の勘が凄くあるんですw。
第三部では、この身体能力の高さが思いがけない方向に発揮できて、年配の奥様に褒められる場面が出てきますw
佳卓が作中で「これまで上達してきた過程が見えるよう」というように、武人としての能力は本来かなり高い。
それなのにセクハラで才能の芽が摘まれてしまう所でした。
さて。
そんな翠令に佳卓が弓を教えるわけですが。
書き手である鷲生には特に弓術の経験がありません。
京大のキャンパスの近所に住んでいた時は、学園祭でアーチェリー部が試し打ちをさせてくれるところがあったので、そこで何回か弓を引いてみたことがある程度です。
あと、学生時代に弓道部にいた友人がいるくらいですかね……。
身内にアーチェリーの経験者がいるので、今回の話を書くにあたって話を聞いてみましたが……。
あまり役に立たないw
全体に役に立たないその人の話の中で、それでも印象に残ったのは、「矢が弓から放たれるときに、弓の本体にこすれることで方向が安定しなくなる。だから洋弓にはプランジャーという装置がついている。ただ、和弓にはそれがないので、くるっと左手を返している」という話でした。
そこを詳しく聞こうとしたのですが、「さあ……和弓でそうしているのを見ただけだから……」と心許ない態度。
Wikipediaの「和弓」の「特徴」に以下のような説明があります。
”弓本体の右側に矢をつがえて放つという構造上、そのまま矢を放てば矢は弓本体に阻まれ、狙いは右に逸れてしまう。このため発射時に左手の中で弓を反時計回りに素早く回転させることでそれを防ぐ。これを「弓返り」(ゆがえり)と言う。また弓返りを行うことで弦が矢に接触している時間が長くなり、矢はより加速されるという”
これが、洋弓経験者が話していた和弓の特徴のことじゃないかと思います。
拙作で翠令が佳卓から口頭で説明を受けたのはこういう動きです。
その他の弓道の体の動かし方については「日本弓道連盟」のウェブサイトを参考にしました。「射法について」というページです。
https://www.kyudo.jp/howto/syaho.html翠令の腕の筋力が少ないために、肘が下がって矢が上を向く云々は私の想像です。おそらく、何の心得もない私が今から弓道を始めたらこんな風になるんじゃないかと思っております……。
最初に述べたように翠令は運動神経がいいので要領は早々に掴みます。そして、コツコツ基本に忠実に練習を積む性格です。
最後の最後で翠令の弓の腕が試される場面も出てきます。
どうか最後までご愛読くださいますよう。
今回の写真は風俗博物館の人形展示から矢を背負った武官です。