平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「十一 翠令、典侍の悔恨を聞く(一)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860726445082ええと。今回のお話で大学寮に風土記があるということにしておりますが。
風土記は……図書寮にありそうな気がします……。スミマセン……。
風土記については、日本史の教科書に記述されるように「奈良時代に律令制度の一環として書かれ、今では出雲国(完本)はじめ播磨国等4つの国のもの(部分)が残っている」以上の情報は得られませんでした。
「奈良時代と現代の間、平安時代にはどこに置いてあったの?」ということを私は知りたく思ったのですが、拙作を書いている間は特にこれという情報をえられませんでした。
そこで、拙作ではそれを「大学寮の書物庫にあったのでは?」と想像を膨らませています。
ただ、大内裏には中務省の図書寮という書物を保管する部署があり、まあそちらに置いてあった可能性の方が高そうです。
拙作では、姫宮が大学寮に赴くことで円偉の思考の一端に触れるという展開となっております。そのために、風土記が「大学寮にだけ保管されている」という設定になっています。すみません、物語の都合です……。
ほら、今でも大学図書館とか大きめの図書館に行くと「参考図書」コーナーがあるじゃないですか。「禁帯出」のラベルが貼られた大きくて重くて分厚い事典とかが並んでいる一角、人気がなくて埃っぽいエリアがw
そんな感じで風土記もしまい込まれているんですよ、きっとw
さて。錦濤の姫宮と帝は仲がいいです。拙作の終盤で帝の心情も出てきますので、覚えて下さると有難いです。
今回の写真は、冒頭に姫宮が清涼殿まで帝を訪問するのが楽しみだという箇所が出てきましたので、2021年の秋の京都御所の特別展示で撮影した清涼殿です。
次回は梨の典侍の心情が主となります。いい人なんですよ……。
どうか次回以降もお読みいただければ幸いです。
※3月30日追記
今日、「図書館の日本史」という書籍を読み始めました。第一章は「古代の図書館」で、39頁から「大学・国学の蔵書」についての記述があります。少し引用いたします。
”大学・国学ともに官僚養成機関であるので、学生の勉強のためにそれなりの蔵書数があったこ とは想像に難くありません”
そして 『延喜式』から、「学内であればどこでも蔵書の閲覧は許可されていたようです」「曝書(虫干し)することが決まっており、その作業には学生が参加させられたようです」「目録は三通作成され」たようだということが指摘されています。
私も該当ページにさしかかったばかりなので、これから読むところです(拙作を書く前に出会いたかった……)。
取り急ぎご報告まで
「図書館の日本史」新藤透 2019年 勉誠出版社