はじめまして。
鷲生智美(わしゅうさとみ)と申します。
「なろう」と「pixiv」に投稿経験はありますが、カクヨム様は初めてです。
この「錦濤宮物語」は、平安時代をモチーフにしたファンタジーです。
実は、この小説のカテゴリー、当初「歴史・時代・伝奇」の枠で書けないかな~と思っていました。しかしながら、どうもカクヨム様の説明を読んでいると「歴史もの」は実在の人物が登場しないと駄目なようで……あきらめて異世界ファンタジーのカテゴリーに登録しています。
「異世界転生」でも「ナーロッパ」でもないし、「悪役令嬢」も登場しない本作が「こんなカテゴリーにいていいんだろうか……」と若干の居心地の悪さを感じるのですがw
さて。
地形については現実に存在している日本や中国を前提にしています。
「錦濤」という「港街」から、少女が「京の都」へ「河」を船で遡る場面から始まっていますが。
「錦濤」=「大阪」、「京の都」=「京都」、「河」=「淀川」でイメージしています。
下にグーグルマップを加工した地図を載せておりますので、ご参照ください。
大阪を大《《坂》》でも難波でもなく、「錦濤」という架空の名称にしたのは、現代日本社会で全国的に「ナニワ」という言葉からは「関西芸人」「金融」などを連想する人が多いんじゃないかと思ったので……。
また、奈良時代の難波宮にも分からないことが多く(発掘しようにも大阪の市街地の下ですからねえ)、しかも平安時代にかけて難波津がどのように受け継がれていったかは説や評価が分かれるようです(Wikipedia「難波津」の項目など)。
あくまで、本作の展開で重要なのは、この港街が「先進的な大陸文化をいち早く受容する国際港湾都市であり、商業を通じて多様な文化に馴染んでいる」という設定です。この設定は今後も姫宮と女武人の行動にも反映されてきます。
私としては、この作中の港街錦濤を、自分が生まれ育った神戸の街でイメージしています。
神戸は私が子どもの頃の昭和の時代から異国情緒あふれる街でした。通学路に欧米人が住むマンションがあり、中学校のそばにはインド人(印僑)の集会所があり、同じ地域に華僑のための中華同文学校があり……。
今回の小説で書いたように「錦の波濤を越えた先にある、美しい港湾都市」です。
ただ「錦濤」という名前は、それはそれで同じ名前の中国の政治家がいましてね……。検索するとおじさんの写真が出てくるというのは、それはそれでちょっと嫌w
それで、「錦濤」の名前を使うのは一時あきらめて、「濤」を「浪」に変えて「錦浪」に変えてもみたんですけれども。やっぱり「錦濤」の字面がいいので「錦濤」にします。
ついでに、まだ名前が出てきていませんが、西の大陸には大王朝の「燕」があるという設定です。史実では中国大陸の「唐」です。
平安時代の唐は衰退期にあり王朝も変遷します。この小説では「大陸に存在して文化水準が高く、政治や学問の手本とされた先進国」という設定ですので、史実を離れ、繁栄を謳歌している安定した大王朝「燕」があるということにしています。
なぜ「燕」という漢字かは特に理由はなくて、ひらめいた字をそのまま使っているというだけです。一応「燕 中国王朝」で検索すると、紀元前の春秋戦国時代に、「燕」という名前の王朝はあるのだとか(Wikipedia)。日本(倭)についての記録もあるそうで、まあ、この小説内で使用しても支障なさそうだと判断しました。
「淀川」は字面がよろしくないので使っていません。ただ「河」でも通じるかと思います。
次回は出航した二人に危難が襲い掛かってきます。
どうか次回もお楽しみいただければ幸いです!
↓GoogleMAPで作成した、大阪・京都・淀川の位置図です。