私はランニングを趣味にしていて、毎日のようにどこかを走ります。
最近では夕方に陸上競技場のトラックを走ることが多いのですが、住んでいる場所がとんでもないド田舎なので誰もいません。いや、きっと皆さんが思っている「誰もいない」とはレベルが違います。このトラック、私以外の足跡がありません。本当に誰一人使っていないのです。
陽が沈む頃にただ一人、トラックに足跡を刻みます。周回するごとに細い道が作られていきます。
これが小説ならば、ある日自分より一回り小さな足跡を見つけてロマンスが始まるのかもしれませんが、そのようなイベントは無くひたすらぐるぐる回るのみ。やがて夕陽が沈み、東の空に星が瞬いてもおじさんは一人回り続けます。
これが…私だけの景色…!