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「どうみてもわからねぇ、、」ミツル
画伯の原稿用紙を凝視しているミツル
「なぁ画伯、これ、何?」
「あ?見てわからんのか?これだから異世界モンは、、」画伯
ちげーよ?、多分だけど、ここ俺の居た世界だよ?
そう、ミツルは多分、今回は元の世界に召喚されたのだ。
どーせ神がなんか期待したんだろ。
それなりに、期待通りになってるかも?と一瞬思ったミツルは少しだけムカッとした。
「斜め上」を逝かなきゃ奴らの思い通りなのだから
「これが、ダンクだ。知ってるだろ?」
「・・・どう見てもちげーよ、、?」
「おまえ。知らんのだろ?しったかは情けないぞ?」
いやいやいやいや、どうみてもバスケットゴールと選手じゃねーぞ?なんか四角っぽい乗り物?的な?なにか、にしか見えないんだけどね?
「乗り物、じゃねーの?」
「わかってるじゃないか?」
は?・・・・ダンクって言ったよね?
あのゴールの輪っかまで飛び上がってダイレクトにゴールにタマを淹れちゃうアレだろ?乗り物って関係あるの????
「バスケに、乗り物関係あるのか?」ミツル
しかも、その四角っぽい何かの周囲は草原?草wwwwwwwwwwwwwwだし?向こうに森らしきなんかっぽいのもあるし?屋外バスケ????
「あ、アメリカとかでよくあるガレージでバスケ?」ミツル
「何を言っとるのかねチミは?、ガレージもバスケも関係ない情景だろ?よく見給え」
これ以上どうよくみ・・・・
「・・妄想力を働かせて、見てみろって?」
「ちがうっ!そのまま見てわからんのか?あ?わからんのんかっ???!!」
起こるなよ・・わかったら訊いてねーよ?
「しかたないなぁ、戦車あるだろ?あれのことをタンクと呼ぶのだよ。」
しってらー
「その進化型をだな、だん”ぐと呼ぶ。最終型だな。でも最終型まで至らない進化途中の形状をダング。その少し前をダンクと呼ぶのだ」
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「しるかぁあああああああああ!!!!!!!!
おまえはダンクシュートをしらんのかぁあああああああああ!!!!!!」
温厚なミツルもキレるものである!!
「は?あれはダンクシュートだろ?シュートしなきゃ関係ないし?たまたま似ているだけな名前なだけだし?おまえ、もすこし常識を勉強しろ」
画伯が冷静なままなので、ミツルもすぐに冷めた。
「ちなみにさ、そのダン”グとかダングとか、の、出処どこよ?、原典見せて?」
「ほれ」
と、頭のつむじあたりをミツルの顔の前に見えるようにずいっと出した画伯。
(おつむ・・・画伯の独自開発の単語というわけか)ミツル
「作者の思いつきをその場で読者に判れ、ってのは、むづかしいぞ?」
「私の読者ならすぐにわかるはず。これと、・・・これ、それと・・・これもだ、みなその場で私が考えたものだ、名前もな。ネットの書き込みやファンレターで、皆「発想がすごい!」って言ってたぞ?すぐわかったんだろ?」
と、過去の原稿を抜き出して見せる画伯
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まじ?
画伯、読者もすげーの?アレな、、画伯側な人々?
もう議論は不毛だと感じたね、あっち側は理解し難いのだ。
「で、その最終型に向けて進化途中のダンクは、どの程度の性能なの?」
「しらんよ、そんなの敵が出てきてはじめて思いつくもんだろ?」
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ここまでいきあたりばったりだったんだ?!!!!!
画伯の才能の凄さと言うか、いい加減さというか、ストーリーも何もかも関係なく、画力(画伯画)だけで全てを済ませることができてしまう能力、
「おまえ、ある意味魔法使い以上、つか、魔法使いが足元近辺?」
「あっはっは!やっとそこまでいきつつあるのか私もっ!!」
どういった基準でそこってのが決まってるのかは聞かないでおこう。理解出来ないと思うし。
で、
「次のページの、これは?」
「これはだな、ドジブル”と言ってだな・・・
画伯の声が小さく遠くなっていく、、、
ミツルの耳は、なんか画伯の言葉を聞くことを拒否し始めた様子だった
人生4度目にしてはじめての思考停止である。
頭の隅で、
考えちゃ、だめなんだ・・・
ーー
翌週
編集が原稿を取りに来た。
居間のちゃぶ台で読んでる編集。勿論ちゃぶだいの上には危険な湯呑みとかコーヒー茶碗とか乗っかっていない。原稿のみだ。
タンタン!!
読み終えた原稿用紙を揃え、封筒にしまう担当。
「あの、どうでした?」ミツル
「ああ、今回も、いいですねぇ!!!」
楽しそうに答える今の担当編集。
この人はリーマン編集ではない。漫画が好きで編集になったのだ。よくなければへーきでボツにする。時間がなくともボツにする。
へ?いいの??
「あの、ダンクとか、ドジブル”とか?」
「いいですねぇ!!まさに画伯漫画って感じです!!」
どこが?つか、そういうのが「イイ」の???
「すぐ、わかりました?」
「いえ、すぐに判る程度だったら、まずこれほど人気でないですよ?わからないからイイ!!」
(・・・異世界?)
勇者ミツルは、この世界が自分のいた世界と違う時空の物だと思い始めるのであった。