いやあ、連休って思ったようにならないですね。
昨日はたくさん書くはずがまったく進んでません。いつものことなので想定内なのですけど。
つい時間があるからとYOUTUBEの動画を漁っていたら、ヨビノリたくみさんの「数式なしでもしっかり学ぶ量子力学」に。彼の動画は数学なんかのでよくみてます。授業形式でゲストにQuizKnockの山上さんやプロ棋士の中村太地さんとかが参加している珍しいスタイル。
いやあ、ガチ文系の卯月でもワクワクして観ることができました。そこから関連動画や他の面白そうな科学モノを観たりしてたら一日が終わってました……。特に創作で使うというわけではないのですけど。なんかこういう知らなかったことを知れるっていいですよね。世の中には卯月の知らないことで溢れている。死ぬまでに(たぶん長生きする予定)こういったナニカに触れることができるって幸せだなと思ってみたり。
自分の生活とまったく関係ない世界を覗いてみるといいかも。小説を書いている人にとってはジャンルは違えど、人間を題材に扱うわけですからどこかで役にたつかもです。
ここからはいつもの創作に関するメモ。
谷崎の「文章読本」です。
昨日は音読っていいですよって話でしたか。この話の中にお酒の品評会のことが出てきます。専門の鑑定家たちが集まって投票するのですけど、何百種類もあるお酒でも彼らの味覚と嗅覚は最も良いものを選び出すのにその多くがぴったり一致する。しろうと同士の飲み比べのようにまちまちになることはない。
「卽ち感覺と云ふものは、一定の鍊磨を經た後には、各人が同一の對象に對して同樣に感じるやうに作られてゐる」と谷崎は言います。
しかし、「文章は酒や料理のやうに内容の單純なものではありませんから、人に依つて多少好む所を異にし、一方に偏ると云ふやうな事實が、専門家の間に於いても全くないことはありません」とも言っています。
「同じ酒好きの仲間でも、甘口を好む者と、辛口を好む者とがある、左様に文章道に於いても、和文脈を好む人と、漢文脈を好む人とに大別される」。昨日の書いた文豪たちの区別の話に繋がります。
このネット小説界隈でもジャンルによって書かれる文章の方向性が違いますよね。ファンタジー方面はほぼ会話構成のものからちょっと硬めのものまで幅広くありますけど、おおよそ柔らかいモノが読者には好まれるようで。ホラーだと行間つめつめで地の文の多い印象かな(あまり詳しくないです)。
昨日の近況ノートに書いた「86―エイティシックス―」は電撃大賞応募時は硬いほうの文章だったようで(選考委員選評によると)。この文体というものについては書く人は考えることもあるでしょうが、谷崎はこんな風にしめています。「しかし皆さんも、多く讀み、多く作つて行くうちに、自然自分の傾向に氣付かれる折があるかも知れません。さうして、さう云ふ場合には、成るべく自分の性に合った文體を選び、その方面で上達を期するやうにされるのが得策であります」
ふむ。そうは言ってもね。
対象となる読者層もファンタジー方面ってかなり幅が広い気も。結局、無難な感じで読みやすさ重視でいくしかないかな。
取り敢えず今日こそはたくさん書きたいと思う卯月でした。