今年の北国は、秋の深まりが遅いような気がしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
届く通知にカクヨムコン9への参加表明が増えてきて、わくわくしています。
嫁コンが一次選考落ちすると、ちょうどよく2章からコンテストになだれ込めそうな時期な気がするんですが、そんな縁起の悪いことを言ってはいけませんね。
とりあえず現時点では、今年は新作長編に取り組む時間が無さそうなので、皆様の応援にまわりつつ、短編でお祭り参加できたらいいなぁと思っております!
快晴に恵まれた三連休は行楽客も多く、にぎわいに誘われて普段行かないパン屋さんまでドライブしてきました。
寒くなってくると、ドライフルーツがぎっしり入ったハード系のパンが食べたくなるのです。
自宅に戻って、木のカッティングボードにドシンと丸いパンを乗せ、何となく物足りなくてペティナイフを突き立ててみました。
いや、違います。ストレスによる凶行じゃないです。
ふと脳裏に『ハイジ』がよぎったのです。アルプスの少女ではありません。
魔物の森のハイジ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919096406異世界へ転移してしまったリンと、魔物の森に暮らすハイジ(男性)の物語です。
このハイジが、大きなハード系のパンにザクっとナイフを突き立てた状態で、無言で食卓に出すのですよ。
好きなだけ切って食べればいいという意思表示なのでしょう。
最初は「雑ぅ!」と驚いたのですが、物語を読み進めるほどにこの行動に象徴されるハイジの無骨さ、言葉足りなさ、それを補って余りある優しさがじわっと沁みてくるのです。
寒くなるこれからの時期にピッタリの一作だと思いますので。ぜひ。(再びの唐突な宣伝)
「ふふ、つまりパンとナイフは、ハイジの象徴なのだよ……」
ドリップし終わったコーヒーのかぐわしい香りに包まれて、満足そうに私はつぶやきました。
そして、直径約20センチのパンに、刃渡り10センチほどのペティナイフを突き立てます。
小さいナイフのサイズ感とあいまって、切っている最中の気持ちはほぼ『カボチャとの対決』
外皮の固さを越えれば、中身はさほどでもないのですが、底の皮……すんごいかたぁい!
多分ナイフが小さいんだ。これ普通にパン切り用の包丁か、なんなら出刃包丁で切るべきパンだよ。
「ぬぅああああ!」
ボキ、ゴン! みたいな音を立ててようやく底まで切れました。
クルミとイチジクがたっぷりのパンです。
もちろんコーヒーに合いますし、たぶん赤ワインとも最高。クセの無いチーズやローストポークなんかとも……。
「もう一枚切ろうかな……いや、腕が痛いから少し休もうかな」
秋の休日はゆったりと流れていきました。