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編集について

仲俣暁生さんというひとが昔書いていたのだけれど。

小説というものがWebの普及によって作家直販という形態も可能となったとき、出版社や編集という存在は役割を終えてしまうのかという話で。
編集は、サービス業になるんじゃあないかと書いておられた。
つまり、著作権や商標権といった問題から訴訟に発展するようなリスクを作家が対応するのはコストがかかる。
だから編集はリスクヘッジのサービスを、作家に提供するようになればいいということ。

まあ、少し違うかもしれないけれど、ここって編集がサービス業化するためのテストケースとも考えられるのかなあと、思ったりもした。

4件のコメント

  • うーん、その線は考えられなくはないですが、編集さんが権利関係の仕事だけをするようになることはないんじゃないでしょうか。どんなプロ作家であろうと、第三者の目である最初の読者――出版できるかどうか判断する人は必要なはずですから。

    それに、作家、とりわけデビューする人は大抵の場合、推敲や誤字訂正はできても、そこから先――イラストレーターや印刷などといった執筆以外の作業の手配・連絡については無知だと思います。誰もが電子書籍作家ではありませんから。作家でいたきゃ執筆~誤字訂正+諸手配・連絡を一人で三、四ヶ月の間に完璧にこなし続けられるようになれ、とはさすがに編集側も考えないでしょう。


    個人的には、公募されない、ネットで人気=ラノベ(Web小説をラノベに分類するなら)読者のニーズに即した作品の発掘が、編集にとってのここの存在意義だと思います。ここで多くの読者に読まれている、かつ書籍化できる内容の作品=書籍化してもそこそこの売り上げが期待できますから。ネットで人気というのも、ここで読んでいないラノベ購買層へ訴える宣伝文句の一つでしょうし。

    カドカワは近年、ボカロ曲の小説化や漫画化、映画化にも着手しています。運営はそういうネット発のメディアミックスによって、無料のネットや格安な古本屋で満足している=作品は読むけど自社の売り上げに貢献しない層に、自社レーベルの新刊を買わせたいんじゃないでしょうか。
  • 星霄華さん。

    コメントありがとうございます。

    仲俣暁生さんは、編集もやっていたひとです。
    だから、編集の役割というものは十分知った上であえてサービス業となるべきとして、リスクヘッジの例をあげておられたのだと思います。

    そう言っておられたのは、ある種のポジショントークだったのかもしれませんし、彼なりの危機意識の裏返しだったのかもしれません。

  • 編集だった人の言葉なら、確かに危機意識の裏返しだったのかもしれませんね。編集の仕事なんてほとんど作家に任せられる、任せられないのは権利関係くらいなんだよ、な感じで。あるいは、作家の領分を侵すな、と言いたかったのかも。

    著作権の許可をとらずに作家に漫画を描かせた会社や、作者に無断で作品を改変した某社の話もありますしね(そこの賞に公募した後に知って、微妙だった……)。原稿渡しても出版せず報酬払わずの出版社もあるみたいですし……誇りある編集さんなら、作家を出版以外のことで煩わせるな、と言いたかったのかもしれません。
  • 星霄華さん。

    コメントありがとうございます。

    この十年間で、出版や編集というものをめぐる情勢は、大きく変わったような気もします。
    また、今後十年間ではさらに大きく変わるような気もしています。

    そうした状況の中で、編集とはどうあるべきかということを、考えておられたのではないだろうかと、思ったりもしてます。
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