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源頼政『平家物語』『源平盛衰記』鵺退治と雷上動

大分前に別垢でツイートしたのをまとめておきます。
なんでこの家系図で頼朝の家系を省略しなかったかというと鵺退治と関係があるからです。

源満仲-頼光-(略)-頼政
   |
   L頼信-頼義-義家-頼朝ー頼家
               ∟実朝

『平家物語』「鵺(二)」(「一」は頼政が和歌で二度昇進したという話で鵺は出てきません)
頼政以前に怪異が現れて帝を悩ませた時、義家が怒鳴ったらビビって逃げた。
そこでまた鵺が出た時、武士にやらせようという話になった。
「頼政が化物担の家系です」(とは言ってないけど)
源雅頼が頼政を推挙した。
最初頼政は「それは武士の仕事ではないので」と断った。
しかし帝の命令なので仕方なく引き受けた。
ここで仕損じたら自害するしかない。
「最初の矢が外れたら二発目はテメー(推挙した雅頼)の首にぶち込んで道連れにしてやるからな」
と雅頼を殺る気満々で二本の矢を用意して鵺退治に臨んだ。
ここまでが「二」で「三」で鵺を見事に仕留め、褒美をもらい受けたが手渡すとき大臣が、
「ほととぎす名をも雲井にあぐるかな」
と歌いかけたところ、頼政は月を横目で見ながら、
「弓はり月のいるにまかせて」
と即座に返歌し皆から「武芸だけではなく歌道にも秀でている」と称賛された。
「四」も同じような鵺退治の話。
ここで養由(中国の戦国時代の弓術の名人、養由基)のようだと、ちらっと養由が出てくる(養由並みにすごい的な感じで)。
この話はおそらく「三」の異説を載せたのではないかと言われているが「四」の話のオチは「これだけ優秀で三位の位まで上り詰めておきながら謀反を起こして滅ぼされるとは情けない」というもの(頼政の頃は平家全盛期だった事もあり源氏がここまで昇進するのは難しかった)。
ちなみに「二」「三」の頼政は兵庫頭となっていて頼政が兵庫頭だったのは19歳~30歳なので青年の頃。
『平家物語』の中で使われているのは普通の弓です。

『源平盛衰記』
鵺(とは書いてないけど怪異)が現れたとき義家がでかい声で名乗りを上げたらビビって逃げたというくだりは同じ。
またなんか出たからどうしようと話し合ったときに義家の話が出て武士にやらせようというと言う事になった。
最初は石川秀廉が指名されたものの秀廉は断った。
そこで他に誰がいるかという話になったときに頼政は頼光の子孫だという事で頼政の名前が挙がった。
歌会に出ていた頼政は直ぐに承知した。
ここで雷上動が出てくる。
養由は文殊菩薩から雷上動をもらい受けた。
養由は死ぬとき、娘に雷上動を誰か相応しい人を見付けて渡してくれと頼んだ。
そこで娘が渡す相手を探していたところ、頼光の噂を耳にした。
頼光が昼寝をしていると養由の娘が現れて理由を話して弓を託した。
頼光が目を覚ますと枕元に雷上動と水破、兵破という矢があった。
これを頼政が受け継いだ。
頼政は雷上動の水破、兵破で見事鵺を退治した。

鵺は義家にビビって逃げたのに頼朝ではなく頼政に振られたのは、化物担の家系と言うよりは頼政が兵庫頭の頃は頼朝はまだ生まれてないからです。
ただ、その頃なら義家も現役だったのではと言う気がしなくもないのですが、まぁ化物退治の話って言う時点で史実とは異なるので(天皇の名前と頼政とかの官職にも色々食い違いがありますから)。

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