作中に登場させた飛行機の話です。
Dunne D.7AetherとDFS habichtという機体を登場させました。
D.7Aetherは20世紀初頭の飛行黎明期に実在したJ.W.Dunneという人の開発した機体D.7をモデルにしたものですが翼の平面型と無尾翼機であるということ以外は共通点がありません。
原型のDunneの飛行機は航空黎明期の機体ということで柱は剥き出し、張り線だらけ、翼も骨組みの片側に布を貼っただけで洗練とは程遠い外見ですが(ex:wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Dunne_D.7 )主翼があるだけで安定翼の類はなしで操縦桿から手を離しても巡航できるだけの安定性があったそうです。
DFS habichtは主人公たちのではなく“魔女”の機体に設定しています。第一次大戦で敗北したドイツが航空機開発を封じられる中で造った優れたグライダーのひとつ、アクロバット用の機体がhabichtです。急降下制限速度や引き起こし性能は第二次大戦期並みの頑強な滑空機です。
エーテル機関は操作部分にテルミン、機関の中枢は片手で軽く持てる程度の小さな箱ひとつ、あとは翼の中を一巡するようパイプが配管されているだけです。それを滑空機に仕込むだけで(現実の)大戦間期の機体並みの速度を出してしまうという設定です。