私がいつから読書が好きになったのか、はっきりとは憶えていないのですが、今でも思い出すのは、母が買ってきたアガサ・クリスティのミステリーを読んだ日の情景と、その時の自分の気持ちです。
その日は風邪をひいて学校を休みました。夜になると熱が下がり、昼間たっぷり寝たせいか、まったく眠たくありませんでした。
風邪薬のせいもあったのでしょうか。今は物置きになっている、家の中の一番小さな部屋が自室だったのですけれど、結局はまだ早い時間にここで寝ている、ただそれだけのことが、日常から切り離されたかのような、不思議な解放感と安心、そして、まるである種の冒険をしているかのような、高揚を与えてくれたのを憶えています。私はそれだけで楽しかったのです。
そんな完璧なタイミングで、私は、クリスティの『そして誰もいなくなった』を読むことができたのです。
8人の男女が孤島に招かれるのですが、招待状の差出人で、この島の主である、オーエン夫妻はいつまでたっても現れません。
皆が不安にかられる中、晩餐で、彼らの過去の罪を告発する、謎の声が響き渡ります。そして、1人、また1人と彼らは殺されていくのです。
犯人はこの中にいるのか、だったら誰なのか……。
ミステリーの傑作に酔いしれることができて、本当に幸せでした。ベッドの中で味わえた、完璧な冒険。
私が古典ミステリーを好きな理由は、安全な場所から、本物の冒険ができるからです。
優れた仏像に人知を超えた何かを感じることがあるように、つくりごとでも作者が魂を入れることができれば、それは本物なのです。
そこでは犯罪に関わる人々の苦しみや葛藤も、多くの場合、優れたトリックを彩り、優れた作品を創るためのテクニックや味つけでしかありません。
また、個人的にそういう作品が好きです。最近特に、リアルに悲しい話を聞くのが辛くなってきました。
ずっと、自分もミステリーを書けたらな……と思っていたのですが、書けなくて、諦めていました。それが今、どういうわけなのか、書きたい話がわいてきて、なかなか手ごわいですが、頑張っています。
近いうちにこちらで公開する予定です。よろしくお願いします。
とにかく、なんらかの更新はできるだけ多くしていくつもりですので、どうかここをチェックしてやって下さいね。
※『そして誰もいなくなった』のあらすじについては、ウィキペディアを参考にしました。犯人が誰だか幸い忘れた。また読もうかな。