消えたへその緒

 子供の頃、学校から帰ると母が血眼になり何かを探していた。


「へその緒無くした・・・」

「なんだ。そんなことか。別にいいじゃん」

「このタンスの中に保管してて箱が傷んできたから新しいのに替えようと思ってジップロックに入れておいたんだけど・・・」

「そういえば一昨日爺ちゃんがその辺整理してたよ」

「えっ?!」


 そう言って僕はお湯を沸かそうと台所に行くと祖父が何かを焼こうとしていた。


「ただいま!」

「ああ、おかえり。お前もスルメ食べるか??今炙ってるんだ」

「食べる食べる・・・爺ちゃんそれは??」

「これか?一昨日タンスの中整理してたらいつのスルメか分からんけど出てきたから買ってきたやつと一緒に炙ってるところ。婆さんに怒られる前で良かったよ」

「それスルメじゃないしスルメだった時より怒られると思うよ・・・」

「???」




https://kakuyomu.jp/works/16816452219659046298/episodes/16816700427103752294

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