川に飛び込ませられた話

僕がまだ子供の頃(多分小学校3年生)家には先々代の くり という名前の老犬が居た。

ある日学校から帰ると外で母が青ざめた表情で狼狽していた。

「ただいま、母ちゃん!どーしたの?」

「くりが!!くりが!!」

「しんだの!!?」

「川に落ちた!!!あんた良いところに帰って来たね!飛び込みなさい」

「え?母ちゃん今10月だよ?それにおれ泳げないの知ってるだろ?」

「ほらこれ!!発泡スチロール!!これで沈まないでしょ??」


30分後、はるか下流で老犬とは別の消防部隊に救出される僕。そのまま消防車で家に戻ると警察と祖父から烈火の如く説教をうけている母の姿。足下には僕の姿を見つけ元気に尻尾を振る老犬の姿があった。



https://kakuyomu.jp/works/16816452219659046298/episodes/16816452221039982306

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