冬の間、雪の国カルンから動けなくなった、旅するオークのボイド。 大好きなメシ、それも肉はほとんど食べられず、故郷の料理を懐かしむ日々。 そんなボイドの前に、宿屋の主人ギィが、ある…

近所の誰とも付き合いはなく、毎日仕事に行って帰る日々の私。 ある日スーパーで聞いた歌が気になった私は、歌詞の一部を検索しようと「どんな」と入力したところで、不思議な予測変換を見つ…

旅をしている四人の若者が集まって、一つのテーブルを囲んで食べているのは、大山盛のサラダ。 これから何をするのか、どこへ行くのか、そんな事は置いといて、美味しいものはやっぱり美味し…

山の王に侮辱されて会談の場から抜け出した大樹の王、レリナ。 彼女が向かった先には、会いたかった人の姿が。 けれど彼は旅立つ直前だった。

また今年も出会う華。そして思い出す別れ。

巌流高校２年A組の宮本武子と佐々木五郎。 二人の掛け合いで始まる朝は、今日も平和である。

「わすれんぼ病」という、ふつうはあたりまえにおぼえている事を、どんどんわすれてしまう病気が、世界中で始まった。 お父さんの事やゴミの事をわすれたお母さん。 クラスメートの事をわす…

「推し活」からなぜか思い付いてしまった話。 筋肉好きに捧げます。

「私はたぶん、もう二、三年以内には街中で銃を乱射しますよ」 ある日後輩がそう口にした瞬間、たぶん私は恋に落ちていた。 恋はしたけれど一向に進展しなかった私と彼の、長くて短い恋の…

革の表紙で斜めに大きな傷の入った、ボイドの手帳。 旅の中で彼の心にとまったものを、時々書き留めた旅日記でありメモ帳でもある。 その大事な手帳を少し覗かせてもらおう。 （アドベン…

どこまでもどこまでも、人が歩く道の先にある白い線。 通れば消えてゆき、たまに唐突に途切れていることがあるその線には、 それが見える者には辿ってはならないものがあった。

忘れようのない美しい瞳を持つある少女との、思わぬ形での再会。 変化に揺れた自身と彼女の過去を思いつつ、二人は子弟となる。 第一回銀縁眼鏡文学大賞、応募作です。

窓辺に座り、アイス珈琲を飲みながら、文庫本を読む。 そんな夜のお供に。 ノベプラのお題マラソン「アイスコーヒー」により書いたものです。 内容は同じです。

８月３０日は宿題との戦いの山場だ。 それを乗り越える道連れが欲しい、と思ったことは無いだろうか。 これはある夏の終わりの出会いと戦いの物語である。 ノベプラのお題マラソン「宿題…

浜辺で光るものたちを拾い集める少女と、共に生活するアルド。 二人の住む島に、ある日白い光を放つものが流れ着く。 ノベプラのお題マラソン「浜辺の漂流物」により書いたものです。 内…

とある夏の日。ひたすらに靴ばかり描いている陽介の元に、姪の佐奈がやって来る。 絵を描かなくなったという佐奈に、陽介はなぜ靴ばかり描くのかと問われて…… ノベプラのお題マラソン「…

ノベプラで開かれている「夏の5題小説マラソン」で公開したものです。 お題は「打ち上げ花火」でした。内容は同じです。 「稀人オークと三十路の乙女」の番外編になります。 夏と言えば…

恋人の　キャラメルトリュフ　昼の月 チョコ俳句スロットによりできたお題を、 今回はしっとり真面目に恋愛物語にしました。 激甘につき虫歯にご注意ください。

友達に渡すのは、友チョコ。 その意味なんて深く考えた事がなかった。

ティラミスを 汗だくのまま エリザベス https://slot-maker.com/214/ チョコ俳句スロットにより生み出されたその一句が全ての始まりだった。 ここから始ま…

保管室に安置したはずのミイラ男が突然起き上がって現れた。 男が要求してきたのは眼鏡だった。 第二回銀縁眼鏡文学大賞でちょっと思い付いてしまったものです。 文体診断ロゴーンの上位…

親戚の葬儀の場で出会い、毎回顔を合わせる明晴叔父と私。 身内との付き合いが少なく、周囲の事が何も分からなかった私は、年を重ねるごとに叔父の思いや事情を知り、そして大人になっていく…

祖母が入院した夏休み。葵は父方の祖父の家で、楽しみらしい楽しみもなく憂鬱だった。 しかし散歩に出た先で見つけた空き地で、葵は不思議な温室に招かれる。 虫と人との奇妙な因果を集めた…

小さい頃はいろんな事でちょくちょく危機が訪れていた気がする。 今思い出そうとすると、断片的にしか出て来ないけれど、そんななかでも覚えている出来事がある。

両親の行方を探して旅に出たヨルは、長い旅路の果てに二人の消息を見つけ、故郷へと戻ることにした。 しかしその前に、旅の初めに出会いずっと世話になったオルフの遺骨を持ち、彼の故郷へ向…