カクヨムコン9の読者選考期間が終わりましたね(挨拶
三日前に(挨拶
…ええ、またしてもこのパターンですよ。
という訳で、カクヨムコン9の話をするのは今更感があるので、別の話をします。
久方ぶりに、(私が)楽しいキャラ語りのお時間です。
今回はヒロイン語りです。
メインっぽいヒロインのヒロイン語りです。ついでに関係なさげな話もいくつか。
そしてこの子は本編のメインヒロインなのかどうなのか、書いてる私は未だに判断つけかねてます。どうなんでしょうね実際。
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【フィオレ・セイフォングラム】
・コンセプトは「前エピソードのメインヒロイン」。
物語開始以前に終了したひとつのエピソード、その起点となる存在であり、そのエピソードにおける「エピソード上のヒロイン」的存在。
フィオレの立ち位置をなんとかまとめると、多数ヒロインのラブコメとかでよくありそうな感じの、「ヒロインとして登場した回のメインエピソードが終了して、主人公の周辺にいつくようになったヒロイン」。
物語上で拾いきれてない話は先々で語られるかもしれないけれど、彼女個人にまつわる「基本の物語」は既に完結を見ている――みたいな感じのやつ。
もっと短く要約すれば、冒頭の流れを担保するためのキャラクターがこの子です。
・紆余曲折を経て本作のヒロインポジないしその一席におさまりつつある感のあるフィオレですが、あるいは上記の内容からお察しいただけるとおり、彼女はお話の骨子を考えていた時点ではさっぱり影も形もなかった子でした。
執筆前に設定や物語をこねていた頃から明確に登場が予定されていたヒロインは、ミレイナ(に相当する立ち位置のキャラクター。書き始める前はまだふわっとしてたので)と、もうひとりくらいだったはずです。
ラノベ的なアレとして、いずれ華やかな賑やかしヒロインを増やそうという目論見は当時からあったんですが、具体的なところはなんもなかったんですよね。
なのでフィオレ、第一話の時点では、第一話で描写した情報がすべてでした。本作、割とそういうキャラ多いですけど。
で、一章をひとまず形にしてその後の展開を考えるにあたり、流れとしてシドのその後を気にかける形で(それぞれの事情であんまり身動き取れなくなってる旧パーティの代表としても)行動するキャラがいないと、何か状況的に旧パーティのみんなが揃って薄情に見えるな――という懸念が出てきまして。
なので、二話から続く状況をするっと自然にまるめる目的でファーストエピソードの終了後に、「後々ヒロインとして使えるかも」くらいの下心コミで配置していたこの子を物語の舞台上へ引っ張り出し、そこからさらに流れとしてシドと合流させる感じに――と。
「こういう展開があってこういうキャラ構成ならこうなるよね? だとしたらこの展開だよね?」
という状況をいくつか積んだ結果として現在までが成立しているのが、フィオレです。
一応、「せっかくだからラノベっぽくヒロインいっぱい出したいなぁ」という目論見はあったので、彼女の登場はその布石として打ってた部分もありましたが。
そのうえで、上記のように(書いてる人間にとっての)整合性に沿って詰めた結果が現状の彼女です。
わざわざ新キャラ出すよりは既存のキャラをうまく拾ってきた方が、物語的に骨組みがしっかりして見えるよな、という打算もあります。
・そういう訳で、彼女に関しては作中のポジションすらも決めかねていた期間があったのですが、今のところは主人公のバディということで落ち着きました。
と言っても、「いずれ本格的に迷宮探索へ挑む段階まで来たときに、その位置に持っていけたらいいなぁ」くらいでぼんやりと話を進めていたら40話くらいまで再登場が延びるという感じで、話数的にはえらい間が開が開きました。
いうてほぼ毎日更新してたので期間的には一ヶ月半くらいだと思うのですが、この子の存在感ってどんなもんだったんだろうという不安は当時も今もまあまああります。
・そも、シドがあの性格というのもあり、
「主人公の側から、主人公が言えないことを言って、主人公ができないことをやってくれる子」
「主人公と対話する形で、主人公一人では持ってこれない『主人公以外の』知見を提供できる子」
「主人公不在の場面で、主人公の代行となる視座を持ってくれる子」
が、いてくれないと、進行上面倒だったり下手をしたら想定ルートに進めないなんて場面が先々いろいろとありそうだったので、そういう状況を打開しうる保険の確保という、打算に基づくキャラ配置でもあります。どうにも自分は打算ばかりな気がしてしまいますね。
でも、だってそういうの、ユーグあたりじゃいくら何でもさすがに無理がありますし。
・本格的な合流が41話で、「ヒロイン」という立場のキャラとしてはだいぶん遅い合流だとは思いますが、これでもだいぶん合流までの展開を巻きました。ないしは、合流を能うる限りの前倒しにしています。もっと遅いやつもいるので、それ自体はまあ、そこまで気にしなくてもいいかなとも思っていますが。
サイラスと一緒にごはん食べた後というあの登場タイミングは、「ここを逃すと次に出せるタイミングが『最初の冒険が終わった後』まで伸びかねないな…」という危機感に基づき、やや強引に挿入したものです。
なので、18話という布石は置いたうえでも、唐突感や無理矢理感は否めないのではないかという気がしています。
仮に参戦のタイミングがファースト冒険の後になった場合、ユーグあたりの絶対出てくるやつよりさらに後になってしまうのに加えて、どうしても一山越えた後の「後付け感」が出てしまうという予感があったので、私的にはあそこしかなかったんですよね。あの後となるともう事件が始まってしまうところなので、ギリギリのタイミングだったと思います。
今後も追加ヒロインはいそうではあるのですが、その子らと違ってフィオレは前述したとおり「ファーストエピソードが完結済み」の子なので、登場させたところで物語上の主軸にしづらい、ないしエピソードが後付けっぽくなりそうという弱みを抱えていると思ったのです。
・他方、上述の流れを採用した結果として、あのあたりの展開が
1.サイラス(昔ちょっとだけ世話した後輩)と再会!
2.フィオレ(ちょっと前まで一緒に冒険していた仲間)と再会!
3.ユーグ(最初に戦ったファースト悪役再登場)と再会!
…という再会イベントの滅多打ちになり、似たような展開がリフレインするぐだっと単調なものになってしまったのではあるまいか、という懸念はあります。
これに出会いイベントや敵との邂逅イベントを数に加えると、セルマや《軌道猟兵団》、《来訪者(ノッカー)》なんかもこれに該当してしまい、「キャラとの遭遇」が続きすぎる……今となっては、もう致し方ないことですが。ちゃんとプロット作らないからこういうことになるんだよ自分。
・外観イメージのベースは特になし。自分の中にストックとしてある「女の子エルフ」のイメージの一つ。
作中の描写で分かりづらいという方は「ウマ娘プリティーダービー」より、ナリタトップロードあたりをイメージしていただけると、全体の造形は近い感じになると思います。ウマ耳じゃなくてエルフ耳だという、如何ともしがたい違いがありますが。
服飾を含めた全体のカラーパレットは、「ダンジョン飯」のマルシルみたいな感じです。
活動的な半袖ミニスカ系統なんじゃないかなと思いますが、そういえば服装について言及したことない気がします。
・コンセプト通り「エピソードが終わってしまった」ヒロインとしてしまうと、今後新しいヒロインが出てきたときに立ち位置が弱くなること、のみならず、物語上に参加し続ける動機が「主人公の周りにいる(要約)」ことだけに絞られてしまってさすがに物語上の立脚点と言うか、キャラの拠って立つところが弱いなと……そういった懸念があったため、再登場に先立って、どうしたものかとこっそり思案していたのですが。
この点は、「本編で進行する事件の関係者へ絡める(因縁を用意する)」ことで解決という力技を取りました。
書きながら思いついて挿入したという雑っぷりです。
意味があったかは今のところ不分明です。
・本編では言及する機会がありませんが、実年齢は50歳と少しくらいを想定。一応ながら成人済みです。
ただ、「成人済み」という年齢のイメージよりはいくぶん幼めに、少女ないし女の子っぽい印象となるように書いているつもりです。
好奇心旺盛で社交的。外の世界の見聞を広めたいと希って、成人前は外との折衝を担う叔父の外遊によく随伴していました。
と言っても、成人前の少女ということもあってあまり大した役割は担わせてもらえておらず、当人の自覚よりずっと叔父や他の随員に護られていた「箱入りお嬢様」だったという想定です。
なお、作中世界のエルフは平均寿命がだいたい500歳くらい(血筋の古いエルフの中には、千年以上生きる者もいる)で若い期間が長く、天寿の全うが近くなると急速に若さを失い始める、という設定になっています。
・四姉妹の次女。上から順にフェリシア、フィオレ、フューン、ファイナの四姉妹。
どちらかというと大人しくて森に籠りきりの長女と三女、どちらかというと奔放で森の外に飛び出していった次女と四女、という風にばらけます。三女より下二人は母親違い(※それぞれ、側室と後妻の子)で、両親が同一の姉妹は姉のフェリシアのみ。
なお、四女は成人前に森から家出して以降ずっと《大陸》中を飛び回っており、フィオレは末妹の家出で、自分には彼女ほどの行動力はないのだというのをまざまざ見せつけられたのを機に、自分の限界を思い知って大人しく森へ帰った――のですが、それから間もなく《ティル・ナ・ノーグの杖》の強奪があり、今度は心ならずも自分一人で森の外へ出ることになった、という経緯を設定しています。
・四人姉妹ですが、姉妹全員と仲がいいのはフィオレ一人だけ。
長女フェリシアと四女ファイナは性格や考え方の違いに端を発して割と険悪、三女フューンも妹の――エルフらしからぬ――我の強さを苦手にしており、末妹の家出の原因は「(フィオレくらいしか理解者がいなかった)家にうんざりした」というもの。
長女のフェリシアは「典型的なエルフのお姫様」といったイメージです。
三女のフューンは唯一側室の子で性格が大人しく、姉二人になにかとかまわれていた感じのイメージです。
・四姉妹まわりの設定、起点はフィオレではなく、末妹のファイナから。
未登場のやつじゃねえか! と言われるやつとは思いますが、実を言うと、この子は昔からずーっと自分の中にあったストックキャラクターのひとりでして。
なので「フィオレから派生して姉妹の設定ができた」のではなく、「エルフのキャラを出すなら、いっそファイナの関係者にしとこっかな」とフィオレとファイナに姉妹設定をくっつけ、この二人だけだとなんかえらくバランスが悪いのでもう二人足して現状の設定に落ち着いた、という経緯。
ファイナ・セイフォングラム→フィオレ・セイフォングラム、という感じに、フィオレの名字は決まったのです。名字と続けてフルネームで呼んだ時に違和感が出ないように、名前の音を選んでいます。
書いてる当人以外には、現状まったく意味のないアレです。
ただ、もしファイナに関して登場する話を書く機会があるとしたら、時系列上もう少し未来の話になります。既出のキャラだとシオンやイルダーナフ師匠と、あと他何人かと一緒に魔王を倒して、中原で長く続いた人類と魔族の戦争を勝利に導きます。そういうことになるはずです。
シドやフィオレなんかは、その時点だとてんで違うところにいるせいで関わる機会のないアレだと思います。
というか、「くすんだ銀の英雄譚」の範疇では、触れる機会のない時系列だと思います。「機甲少女」のランディが12歳くらいの頃の話だし。
・時系列の話になったのでついでに書いてしまうと、「くすんだ銀の英雄譚」、今のところ一番過去の話です。
厳密には決めていませんが、たぶんシオンやフリスがまだ現役冒険者してて、ランディは物心ついてるかもあやしくて、ウォルフはまだガルク・トゥバスでお嬢さんの付き人やってるかなぁってくらいの頃です。ユイリィは未完成どころか製造着手してるかもあやしくて、メルリィは《人形工匠》エクタバイナの生家に絶賛住み込み中。フレドリカはレーフグレーン家の頼れるメイドさんで、折に触れて訊ねてくるご主人様の甥っ子から熱いまなざしを注がれていると思います。イルダーナフ師匠は弟子の育成が終わったのを機にどっかそのへんをふらふら旅してて、トリンデン卿はまだギリ放蕩貴族ごっこしてるくらいか、目的を果たして家に戻ったくらいの頃だと思います。
それくらいの時系列です。
・そういえば、本編で何度か言及されている《ティル・ナ・ノーグの輝石》。
シオン達の冒険譚で、同じ名前を冠したアイテムにまつわるものがあります。
『盗まれたエルフの秘宝 《ティル・ナ・ノーグの輝石》を巡る、二つの冒険と緑の迷宮の探索』
――という形で、過去に言及済みです。
具体的には一章。21話。
…こいつら、面識あるかもしれません。
てか、盗まれすぎては? 《ティル・ナ・ノーグの輝石》。