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【雑記・キャラ語り】ミレイナ・シスカ、ターニャ・シスカ親子編【くすんだ銀の英雄譚】

四回目です。
今更ですが、割といろいろぶっちゃけたアレだなという気がしています(挨拶)

四回目にしてはじめて女性キャラのキャラ語りですが、正味シド以外に関しては、今のところ「メインの役割が片付いた」順番で出してます。


【ミレイナ・シスカ、ターニャ・シスカ親子】

・コンセプトは「下宿屋の親子」。
 作劇上の役割は、「優しい女将さん」と「慕ってくれる看板娘」。

・お約束の「お前はクビだ」を突きつけてシドへ辛辣に当たる側のドルセンとセットで両極、シドにとっての心安らげる『ホーム』として位置付けた二人です。

・ターニャはとにかく「かわいい」重点。
 お土産のネックレスを「つけて」っておねだりしたり、自分が掃除した部屋を「ぴかぴかよ!」ってアピールしたり、意識してそう書きましたが喋りと振舞いが割と子供です。
 18歳という設定年齢に不相応な、「優しいおじさんを慕ってくれるかわいい女の子」という立ち位置でした。

・「ヨハンとの結婚」設定が増えたせいで想定と違った角度のかわいい描写も増えて、我ながら目論見通りどころか目論見以上にかわいく書けたと自画自賛している子でもあります。
 より正しく言うなら、この設定追加に伴って年齢を調整した結果が現在の「18歳のくせにやたら幼い」ターニャです。当初はもう少し下の想定でした。

 ミレイナの設定年齢や作中世界の文明レベルを勘案すると今くらいの年齢のがバランス取れる感じではありそうなんですが、設定の都合で年齢だけ引き上げた結果、ターニャ個人としてはいくぶん歳に合わない幼さでまとまってしまいました。

・上述の「ヨハンとの結婚」設定で「シドから見たヒロイン」ではないことが早々に示される格好となりましたが、もともと彼女は「シドに対するヒロイン」ポジションに置くつもりのなかった子でした。
 といいますかね、この性格でおっさん主人公相手のヒロインとなると、いろいろあやうい。

 押しの弱いおっさんだと、パワーで押し切られかねません。

 そうなると描写上で気を遣わないとまずいところが増えて面倒だしで、もともと賑やかしみたいな扱いと決めていた子だったのですが、設定の増加に伴いエピソードが増えて作劇上の役割が増え、描写の機会が増えました。かわいいね。

・外観設定上のモチーフは特になく、なんとなく「可愛い田舎娘」のイメージでまとめていました。

 他方、描写上の台詞回しと所作ベースは複数あり、ゲーム「艦隊これくしょん」より「暁」と「雷」がベース。書いてるうちに同ゲームより「プリンツ・オイゲン」のイメージが混入して現在に至ります。

 そりゃー第六駆逐隊ベースで書いてたらおこちゃまにもなるわというやつです。分かる方だけわかってください。
 さらに、後からオイゲンのイメージが混ざったせいで、ターニャの声は常に小澤亜李さんで脳内再生されてしまう病に罹患しています。あの子私の脳内だと千代ちゃんかジェーナスみたいな声してしゃべりよる。たすけて。

・他方、母親であるミレイナの方はどうかというと。
 こちらは娘と違い、明確に「シドに対するヒロイン」としてのニュアンスを含ませたキャラクターでした。

 未亡人好きなの? と問われると、別にそういったことはないのですが。
 彼女に関しては、「初恋の/年上のお姉さん」「年経てなお美しい、憧れの女性」といったイメージをベースに組みました。なので、未亡人が云々というよりは「姉系ヒロイン」の延長という気がしています。シドの年齢設定に沿わせて軌道修正したら今のようになったというだけで。

 人外ヒロイン好きから察せられるところがあるかと思いますが、私は「少年の日に憧れた年上の女性。大人になって再会した彼女は、あの少年の日に憧れたそのままの姿で……」みたいな構図大好き人間なのですけれど、その変奏として「自分が歳をとるのに合わせて歳をとった、けれどあの日のままに、あるいはあの日以上に輝いて見える憧れの女性」という構図をやってみたかったのがミレイナというキャラでした。

・シドの設定年齢(三十七歳)からして四十歳前後ということになり、ラノベ的な視座では「ヒロイン?」と首を傾げられてしまいそうな彼女ですが、紛れもなく彼女はヒロインです。


 「主人公の背中を押し、広い世界へと旅立たせる故郷のヒロイン」
 「主人公の無事の帰りを、故郷でいつまでも待ち続けるヒロイン」


 ――と、こうして要素を抜粋すれば、ミレイナがこれらの要素を含んだキャラクターであると御納得いただけるのではないかと思います。総じて古いタイプの尽くす系ヒロインですね。

・本編中で明示したことはなかったはずですが、ターニャはシドと母親に関して、「シドさんならお父さんでもいいな」「お母さんもずっと一人じゃなくて、いいかげん再婚なりすればいいのに」くらいに思っています。
 これを踏まえて本編を振り返ると、ターニャはシド相手に、ちいさい女の子が父親相手にしそうな挙動を取っていたり、あと冗談めかしながらもそれっぽいことを言ったりしているはずです。

・ミレイナの外観上のモチーフは、娘と同様になし。
 描写上のベースも特にありません。「娘の方が暁や雷なら、母親の方は鳳翔じゃないの?」くらいは、詳しい方がいたら言われてしまいそうですが、べつにそういうことはありません。
 そんな、脳内洲崎綾劇場をしたかった訳ではないのです。しかも娘の方の脳内CVは、小澤亜李さんで上書きされてしまったし。

・「一児の母」「年長の女性」っぽい余裕を含ませつつ、シドに対して背中を押す役目を担うヒロインとして書いたつもりです。

 裏を返せば、役割以上の意味でこれといって尖ったものを持たないキャラだ、とも言えてしまいそうなのですが…でもそれを言い出すと――本作のみならずすべての話に関して――あやうい子がぞこぞこ出てきてしまう気がするのであまり深く考えないことにしたいです。

・上述の理由から父親は「いない」想定で、本編でも書いたとおり明確に死別としてします。
 父親の名前が出てきたのにはさしたる理由はなく、あの語り口で進行しながら名前が伏せられっぱなしなのはかえって不自然だなぁと思ったことから、書いてて何となく思いついた名前をそのまま当てました。名字もその時に決まりました。こんなことばっかりやってる気がしますね。

 父親に関してあんまりしっかりと設定があるわけではないのですが、ドルセンにとっては「昔にかわいがってた若造」のひとり、みたいな存在だったんじゃないかなぁとぼんやり考えてします。たぶん、ひとに好かれる性格の男性で、ミレイナもそういうところに惹かれて結婚したのかな、と。

・余談ながら。ミレイナは今でも死別した旦那さんに今でも操を立てている(表現が古風)うえに、シドもあの性格だしなんやかんや死んだ旦那さんに義理立てしているんじゃないかと思うので、よっぽどのきっかけでもない限りはターニャの目論見通りにはならないだろう、というのが現状の設定です。

・ターニャとヨハンの結婚式。
 既にコメントで言及してくださった方がいらっしゃいましたが、聖堂での祝詞は、拙作「魔女の花嫁」第1話で中断される格好となった祝詞を、きちんと最後までやってみたものでした。
 1話の祝詞と、それから14話のフリスの詠唱をもとに、完全版として作成したものです。

 聖堂の祭神が異なる(十二の創世神すべてを祭っているか、主神とその妻神の夫婦神のみか)とか、「魔女嫁」はシオンが途中から拾ったせいで彼のうろ覚えでアレンジが入っているとか、細々した理由で両作の間で若干文言が変わっています。そういう設定に落ちつけています。

 世界観がおんなじだと、こういう補足的な遊びができるので楽しいですね。

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