• 異世界ファンタジー
  • 恋愛

【雑記・キャラ語り】ユーグ・フェット編【くすんだ銀の英雄譚】

いいんだか悪いんだかわかりませんが懲りずに第二回です(挨拶

とりあえず、一章の登場人物に関してくらいはやっておきたいな、ということで。
今回はユーグ編です。ひとまず一章での出番が完全に終わったからと言うアレですが。


【ユーグ・フェット】

・作劇上の役割は「第一話のやられ役」。少年漫画でよくあるやつです。
 ただ、やられ役として運用するにあたって、なるべく「格を落とさないように」という形で全体の運用を心掛けました。

 雑魚退治はどう書いても所詮は雑魚退治なので、もし主人公の「強さ」「格」を示すつもりなら、ちゃんと「格」のある相手とぶつけなきゃね! というきわめて個人的な趣味に基づいた配置です。上手くいったかは何ともですが

・冒険者であることを踏まえ、パーティのリーダーという設定を追加。
 パーティーの仲間は、展開の都合で「格を落とせない」ユーグの代わりに雑魚チンピラムーブをしてもらうための数合わせ。基本的に添え物です。彼らの作劇上の役割は、「粗暴なチンピラと、そんな野郎どもの振舞いにニヤニヤしてる育ちの悪そうな女ども」。

・彼が作劇上持ち合わせたもうひとつの役割は、「外部から主人公の強さを語って聞かせる」役割。
 一見した限りでは「主人公よいしょ」にならなそうな立ち位置から、「主人公はこんなにすごいんだぞ!」を読者宛にアピールするための解説役ですね。

 これは、「雑魚チンピラムーブをかまして撃退された仲間とは違って、こいつは主人公が強いことをちゃんと分かっているんだぜヘイヘェイ」というのを示すことで、主人公であるシドと同時にユーグの格も高めておくという効果を狙っています。

 実際、こいつちょっと強そうじゃありませんでした?
 そう見て貰えてたら、私的に万々歳です。

・ユーグの使い方は基本的に二段構えとなっていて、

 ①パーティの仲間がちょっかいをかける(※チンピラムーブ)
  ⇒シドに撃退される
 ②ユーグが出てきて場を修める
  ⇒仲間を庇うどころか逆に「頓馬」呼ばわりして踏み躙るムーブでもって、チンピラとは「異なる」立ち位置であることを明示する。

 ――という手順です。
 仲間がやられたからと「どぉれ今度は俺が相手になってやろう」みたいな登場をすると「チンピラの親玉」で印象が留まってしまうので、「こいつだけは主人公の強さを見抜いている(と思われる)」描写と合わせて、前座である他の仲間たちと一線を引く効果を狙っています。

・シドの最初の見せ場である決闘に関しても、本編で見た通りの二段構えで、

 ①全力を出さずに(素手で)制圧する
  ⇒ついでに「相手を侮らない」ムーブを見せることで練達のベテランであることもアピールします
 ②剣を抜いて、ちょっとだけ全力を出す
  ⇒全力を出すと凄いんだぜ! 全力で戦うと恐ろしいぜー! をめいっぱいアピールする

 ――です。
 相手をやたらと軽く見たり、「ま、全力出さなくてもこれくらいで勝てちゃうけど?」をやってしまうと今回の構成では却って「格」を下げるなぁという感覚が私の中にあったため(キャラの格というよりは、「戦いの格」ないしそれを通して描写する「強さの格」かもしれませんが)、ユーグの動かし方に沿う形で「相手も一流の使い手である」ことをしっかり認めて常に(武器を抜く抜かないの悶着はあったにせよ)対峙する、という武芸者らしい心構えを持たせる方針なのでした。

・外観は、周りの仲間が粗暴なチンピラなのを踏まえ、アウトロー系イケメンっぽく決め打ち。
 性格が挙動も、アウトローであることを念頭に置きつつ「アウトローなりの筋は通す」くらいのところを軸に置いています。
 この辺は割と手癖で書いてるところあります。

 もともと、第一話の時点でシドの仲間たちを「冒険者パーティ(=正義系冒険者パーティ)」として出しているので、別パターンの冒険者パーティ=アウトロー系冒険者パーティを使っても「冒険者パーティのバリエーション」として認識してもらえる下地はある、と見込んで、パーティを含めたキャラクターの構成を決めました。

・11話でちょっと違った役回りもしてもらいました。
 シドを旅立たせる「動機付け」のひとつです。ここまで名前だけ言及していた「遺跡都市オルランドの迷宮」に関して、あらためて印象付けておきたかったのですね。

 副次的な効果としては、ユーグのキャラ付けとしても使っています。「オルランドの遺跡踏破」がなせるなら、自分がリーダーであることにも《ヒョルの長靴》というパーティ名の何も特にこだわりがないという点。

 こいつは「冒険そのもの」に価値を見出してる、冒険野郎の類なのです。
 そこに山があるから、で登りに行くタイプ。
 実際そういう局面が来ていないので単なる想像ですが、正しく「踏破」が叶ったなら、ユーグは少なくとも「自分の中では」、その時点で満足しちゃうんじゃないかな――と。

・先にオルランドへ行ったこともあり、フィオレと並んで再登場を見込んでいるキャラではあるのですが。
 ただ、真っ先にやられた禿頭の戦士は別として、台詞なしのモブだった他の三人がまとめて増えるのは正直ちょっと煩雑になるなー…などと、扱いを決めかねている部分はあったりします。

・とはいえ、台詞があった二人だけだと構成が「兄貴分と子分」みたいになってしまいますし、雰囲気として「集団の中で唯一抜きんでる」感じが出なくなるので、人数を減らすのもどうか…という感じだったんですよね。やむなきところ。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する